2016 Fiscal Year Annual Research Report
New model animal with fibromyalgia: peripheral mechanism and effect of exercise for that.
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26560275
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中野 治郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (20380834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 淳哉 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (20584080)
沖田 実 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (50244091)
関野 有紀 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (90718991) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 線維筋痛症 / 痛み / NGF / 不動 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの結果より,本研究で作成した不動誘発生筋痛症の発症メカニズムにはNGFの発現増加と末梢神経密度の増加が関わっていると考えられる.これらの変化の上位メカニズムを探るべく,平成28年度では筋病態をさらに詳しく解析した.ターゲットはマクロファージである.具体的には,不動に曝された骨格筋内では血流低下のため酸素不足状態となり,HIF-1およびマクロファージ遊走因子のMCP-1が増加し,マクロファージの集積が起きる.そしてマクロファージより分泌される炎症性サイトカインIL-1bやTGFbが筋痛の原因となるNGF発現と関連がある可能性が示唆された.また,これらの事象は,線維芽細胞を刺激してコラーゲンの発現および筋線維間の結合組織の増加を促進し,筋伸張性の低下と筋性拘縮の発生にも繋がる.つまり,不動に伴う筋痛と関節拘縮は同じメカニズム上で起きる症状であり,これが線維筋痛症の末梢病態である可能性が示唆される.そして,筋痛と筋性拘縮のため不動状態がさらに長期化すると悪循環に陥り,最終的には感覚刺激入力の減少により末梢神経~脊髄レベルでの中枢性感作を引き起こし,さらに精神的ストレスが加わることによって痛覚閾値の低下が慢性化していくのではないかと思われた.一方,線維筋痛症に対する運動療法の治療効果を探るべく,本モデルの不動期間においてトレッドミルによる全身運動を負荷し,痛覚閾値および中枢性感作の変化を検索した.その結果,運動療法は脳内のエンドロフィンの発現を誘発し,下行性疼痛抑制系を賦活化して痛覚閾値の低下の慢性化を抑制することが明らかとなった.つまり,運動療法には線維筋痛症の発生を予防する可能性が示唆された.ただ,進行した線維筋痛症に対する運動療法の効果検証には至らず、課題を残した.
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Research Products
(13 results)