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2014 Fiscal Year Research-status Report

随意運動に関わる脊髄神経機構に可塑性を促す神経リハビリテーション法の開発

Research Project

Project/Area Number 26560282
Research InstitutionKyorin University

Principal Investigator

中島 剛  杏林大学, 医学部, 助教 (60435691)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords脊髄神経機構 / 随意運動回復 / 反射回路 / 痙縮制御
Outline of Annual Research Achievements

平成26年度は、運動機能や脊髄神経回路の再学習を妨げる“痙縮”を制御する方法論とその可塑性について検討し、神経リハビリテーション遂行前に、反射回路の過剰亢進を制御できる方法論の確立を目的とした。
痙縮の一つの要因として、脊髄伸張反射回路の異常亢進が挙げられる。そこで報告者は、脊髄単シナプス反射であるHoffmann反射(H反射)を被験者自ら、制御するという反射学習モデルを立案し、脊髄反射の学習効果を効率的かつ迅速に獲得することができるかについて着眼した。
今回、異なる足関節の運動課題中(持続的に筋収縮を行っている課題とランプ型運動課題)に、ヒラメ筋H反射による単収縮張力を被験者にフィードバックし、自らその単収縮張力を増減させるスキルを獲得できるかについて検討を行った。その結果、持続的に筋収縮を行っている間、被験者が試行錯誤を繰り返すうちに、100試行中(H反射を誘発させるための神経刺激の試行回数。5秒に1回の頻度で刺激を行う)、50試行付近から背景筋活動を変化することなく、反射振幅を減弱させることが可能となった。しかしながら、反射振幅を増大させる制御は、獲得されなかった。一方、ランプ型に足関節底屈運動を行っている間では、わずか10-20回程度の試行で、背景筋活動を変化させることなく、反射振幅を増大および減少させることができるようになった。
これらの結果は、1) 被験者自ら、脊髄反射を制御することが可能であること、2) そのスキル獲得は、運動課題に依存すること、が本研究から明らかとなった。今までの脊髄反射学習効果は、1-2か月程度のトレーニング期間が必要であると考えられているが、本研究では、運動課題を工夫することで、十数回程度の試行によって、そのスキルを獲得できる可能性がある。このことは、不全脊髄損傷者における痙縮制御に役立つ基礎データになりうると考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は、運動機能や脊髄神経回路の再学習を妨げる“痙縮”を制御する方法論を確立する検討を行い、自ら脊髄反射を制御する方法論をおおむね確立することに成功した。これらの結果は、予定通りであり、研究が順調に伸展していると考えている。

Strategy for Future Research Activity

今後は、これらの方法をもとに、メインテーマである、随意運動に関与する脊髄神経機構を外部刺激によって賦活させ、可塑性を引き起こす方法を開発したい考えている。

Causes of Carryover

27年度に企画している研究において実験機材および実験補助に関わるパートタイマーへの賃金支払いの必要性が出てきたため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

26年度の基金の一部と27年度の基金の一部を合わせて物品購入および実験補助に関わるパートタイマーへの賃金を捻出する予定である。

URL: 

Published: 2016-05-27  

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