2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26560283
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
町田 修一 順天堂大学, スポーツ健康科学研究科, 准教授 (40421226)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 筋萎縮 / 漢方薬 / 生薬 / 廃用性筋萎縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
漢方薬は、加齢に伴う体の不快や不調、病後・術後の体力低下や虚弱体質の改善などの目的に使われることが多く、サルコペニア該当者やその予備軍が何かしらの漢方薬を日常的に服用していることが予想される。現代の健康や医療にとって、漢方薬はなくてはならない重要な治療手段の一つとなっており、科学的な研究も進み、複雑でわかりにくいとされてきた薬理作用も徐々に解明されてきている。しかしその一方で、よりよい漢方薬の利用には高いレベルのエビデンスの集積が必要であり、そのメカニズムの解明が待たれているのも事実である。 漢方薬を構成する生薬は、植物、動物、鉱物などの天然産物由来の薬物であり、多くの有効成分を含むことから多成分系薬物として知られる。漢方薬や複数の生薬の利用は、単一のメカニズムを標的とした薬剤とは異なり、複数のメカニズムを有するガンや糖尿病などの疾患の治療に有効であるとして近年注目されている。そのため廃用性筋萎縮においても、生薬の複合利用は複数のメカニズムに作用することが期待される。これまで、2種類の生薬の複合投与がラットの尾部懸垂による筋萎縮を抑制したことを報告しているが、その抑制メカニズムは明らかになっていない。さらに生薬の単独の利用による筋萎縮抑制効果を検討した研究も少ないことから、生薬の複合利用の検討ための基礎的知見を得るために廃用性筋萎縮抑制効果を有する生薬を探索し、そのメカニズムを検討することが重要であると考えた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
廃用性筋萎縮を抑制できる可能性のある生薬を5種類に絞り込み、その内の一種類については、ギプス固定中に服用させて、その効果を検討することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、廃用性筋萎縮を抑制できる可能性のある生薬の探索を継続する。また、初年度で筋萎縮の抑制を有した生薬の長期的な服用や筋サテライト細胞への影響について検討する予定である。
|
Causes of Carryover |
廃用性筋萎縮の抑制作用を有する生薬の探索過程で、予定よりも実験動物の犠牲を最小限にすることができたため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の実験動物や試薬の予算として有効に使用する計画である。
|