2015 Fiscal Year Annual Research Report
言語性の交互変換運動での発語能力の評価:指定テンポでの運動の音響生理学的観察
Project/Area Number |
26560290
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Research Institution | Kyoto Gakuen University |
Principal Investigator |
苅安 誠 京都学園大学, 健康医療学部, 教授 (00320490)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 言語性交互変換運動 / テンポ指定 / dysarthria / 発声発語障害 / 発語運動 / 音響分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
テンポ指定の言語性交互変換運動(DDK)課題と基本の音声データを健常者と発声発語障害話者(運動性構音障害dysarthria、機能性構音障害、音声障害、吃音)のある成人と小児で収集・分析した。健常者では3Hzまでは音圧軌跡の頂谷 peak-gapが明確であったが、dysarthria話者ではおそらく構音未到達現象を示す破綻を認めた。すなわち、重症例は1Hz、中等度例は2Hzで、peak音圧の変動とgap上昇がみられた。
分析の自動化をはかるために、MATLABでのプログラムを作成した。Kay-Pentax社のMotor Speech Profileプログラムを用いて、dysarthria例の音声サンプルでの分析実験を行い、分析の活用と限界についてまとめた。分析プロトコールに基づいて、dysarthria話者の音声データを分析した。臨床例(dysarthia)の経過と音響分析の所見を報告した。テンポ指定でのDDK課題が重症度と改善の指標となる可能性が示された。
レーザー光線を用いて、唇運動の計測をテンポ指定のDDK課題で行った。健常成人では、テンポが上がると唇の運動(変位量)は小さくなっていた。テンポ指定のDDK課題での声道の形状変化について、少数例での実験を行った。側音化構音を呈する成人1名で、訓練前後に1Hzと3Hzのテンポで/ki/を反復生成させ4D-CT撮影を行った。声道断面(口蓋化するk音の前方)を求め、訓練前で断面積が小さく右側に偏位していたこと、訓練後では断面積が大きく正中に位置していたことを見出した。音響分析では、側音化していた/ki/で持続時間の延長と音圧低下を認めた。
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