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2014 Fiscal Year Research-status Report

変異PI3K細胞のAkt活性度を指標とした電気刺激治療の老化組織保護効果の解析

Research Project

Project/Area Number 26560294
Research InstitutionKibi International University

Principal Investigator

河村 顕治  吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 教授 (40278974)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 加納 良男  吉備国際大学, 保健福祉研究所, 教授 (70116200)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywordsサルコペニア / PI3K / Akt / 電気刺激 / 骨格筋 / 高ストレス耐性 / 長寿命化 / 健康寿命
Outline of Annual Research Achievements

平成26年度は、ストレス耐性、細胞長寿化に働く遺伝子変異PI3KをPC12細胞に組み込み、電気刺激による遺伝子の活性化と細胞ストレスの耐性を調べ以下の成果が得られた。
マウスに25%以上の寿命延長を与える変異PI3K遺伝子をPC12細胞に組み込み、変異PI3Kを発現する改変PC12細胞の作成を試みた。グリーンらによってラット副腎髄質褐色細胞腫から単離されたPC12細胞の姉妹細胞であるPC12m3細胞に発現ベクターに組み込んだ変異PI3K遺伝子を、リン酸カルシュウムDNA共沈殿法によって導入しG418試薬で選択して変異PI3Kを発現する改変PC12細胞の作成に成功した。
まず最初に、すでに変異PI3K遺伝子を持っているPC12m321のストレス耐性を調べてみた。物理刺激処理としては熱ショックを使用し、対照のPC12m3細胞とPC12m321に44℃の熱ショックを20分、30分、40分間加えて生存率を調べた。その結果、PC12m321細胞は対照に比べ約4倍の熱抵抗性を示した。次に変異PI3Kを発現する改変PC12m3細胞における温熱抵抗性を調べたところ、改変PC12m3細胞は対照のPC12m3細胞に比べ約6倍の熱抵抗性を示した。以上の結果、変異PI3Kを発現する改変PC12細胞は物理刺激処理によるストレス耐性の上昇を示すことが明らかとなった。
ストレス耐性改変PC12細胞はストレスが与えられた時に特異的にAkt活性が上昇し細胞の保護効果があると考えられるので、熱ショックによるAkt活性を調べてみた。その結果、対照のPC12m3細胞に比べ改変PC12m3細胞は高いAkt活性が観察され、Akt活性の上昇とストレス耐性の上昇が一致することが証明できた。次に電気刺激によるAkt活性の測定を試みた。まず電気を100mAで15分与えてPI3K受容体Trkの活性を調べるためにERKを測定したところ活性は示されなかった。しかし同じ電気刺激によってストレス受容体の活性化が観察された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

PI3K変異細胞を用いてサルコペニアの電気刺激による治療予防法を確立するために行った3つの実験はおおむね良好な結果が得られた。
変異PI3Kを発現する改変PC12細胞の作成は、変異PI3Kを発現する改変PC12細胞を多数作成することに成功した。
改変PC12細胞への物理刺激処理によるストレス耐性の上昇は、改変PC12細胞が物理刺激の内の熱ショックに体する大きなストレス耐性を示す結果を得て、あとは電気刺激によるストレス耐性の実験を残すのみとなった。
ストレス耐性改変PC12細胞のAkt活性度の変化は、PI3K遺伝子改変PC12細胞が物理刺激の内の熱ショックでのサバイバルの上昇とAkt酵素活性の上昇が一致していることを発見し、さらに電気刺激によるサバイバルと酵素活性の上昇はPI3K受容体Trk(受容体型PTK)ではなく非受容体型PTKに依存していることを発見した。

Strategy for Future Research Activity

平成27年度の研究では、変異PI3Kと同様の作用を発揮する化合物の探索を行う。同様な化合物はすでに発見された既知のものとしてラパマイシンがある。ラパマイシンはPI3Kの働きを阻害してAkt活性を抑制し動物の寿命を延長させる能力を持っている。しかしラパマイシンは副作用が強いため人体には使用できないとされている。我々も同様な物質をある種の菌類より発見した。この物質もAkt活性を抑制する。そこでこの物質がp85のSH2ドメインに結合するかどうかについて検討を行う。一方我々は、PI3Kのp85のSH2ドメインのポケットに突然変異を有する遺伝子を発見したので、この研究は今後さらに重要となってくると考えている。

  • Research Products

    (4 results)

All 2014 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] 培養細胞における温熱刺激と電磁波刺激の効果の検討2014

    • Author(s)
      井上 茂樹, 平上 二九三, 元田 弘敏, 河村 顕治, 加納 良男
    • Journal Title

      吉備国際大学保健福祉研究所研究紀要

      Volume: 15号 Pages: 29-32

  • [Journal Article] Effects of Nonpharmacological Therapies for Diseases of the Elderly2014

    • Author(s)
      Yoshihisa Koike, Yoko Yamanishi & Yoshio Kano
    • Journal Title

      Psychology Research

      Volume: 4(5) Pages: 389-396

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 培養細胞における温熱刺激と電磁波刺激の効果の相違についての検討2014

    • Author(s)
      井上茂樹,平上二九三,元田弘敏,河村顕治,加納良男
    • Organizer
      OUSフォーラム2014
    • Place of Presentation
      岡山プラザホテル
    • Year and Date
      2014-11-21
  • [Remarks] 河村顕治研究室

    • URL

      http://kawamura-md.jimdo.com

URL: 

Published: 2016-05-27  

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