2015 Fiscal Year Research-status Report
変異PI3K細胞のAkt活性度を指標とした電気刺激治療の老化組織保護効果の解析
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26560294
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Research Institution | Kibi International University |
Principal Investigator |
河村 顕治 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 教授 (40278974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 良男 吉備国際大学, 保健福祉研究所, 教授 (70116200)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | サルコペニア / PI3K / Akt / 電気刺激 / 骨格筋 / 高ストレス耐性 / 長寿命化 / 健康寿命 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、加齢性筋肉減弱症(サルコペニア)を電気刺激治療によってストレス耐性、細胞長寿化を計りサルコペニアの予防法を確立するため、ストレス耐性、細胞長寿化に働く遺伝子変異PI3Kと同様の働きをする化合物の探索を行った。 PI3Kはp110とp85がダイマーを作り、増殖因子受容体のリン酸化チロシンにp85のSH2ドメインの結合ポケットが会合することによって働く。一方、我々が発見した変異PI3Kは結合ポケットに変異があり、その結果Akt活性の阻害と長寿化に働いている。今回この変異PI3Kと同様の働きをする化合物をキノコから発見した。同様な化合物はすでに発見された既知のものとしてラパマイシンがある。ラパマイシンはPI3Kの働きを阻害してAkt活性を抑制し動物の寿命を延長させる能力を持っている。しかしラパマイシンは副作用が強いため人体には使用できないとされている。我々が新規に発見した物質はキノコ中に存在し熱によって不活化する高分子化合物であり更なる解析をおこなっている。 今年度は、当初計画していなかったが、サルコペニア克服のための変異PI3Kの研究における画期的な2つの発見があった。1つ目は、変異PI3Kを筋組織から取り出したラットの繊維芽細胞に導入したところ、培養しているだけで自然に筋管細胞に分化するクローンをいくつか見いだすことができた。これは変異PI3Kを働かせると筋再生が起きることを示唆している。2つ目は、変異PI3Kをヒトの繊維芽細胞に導入したところPC12細胞と同様にAkt活性の阻害に働くことが判明した。この結果から、変異PI3Kはヒトにも働いてサルコペニアの治療に応用できることが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PI3K変異細胞を用いてサルコペニアの電気刺激による治療予防法を確立するために行った実験はおおむね良好な結果が得られた。 変異PI3Kと同様の働きをする化合物をキノコから発見したのであるが、この発見は動物実験を経て、サルコペニアの治療予防にも応用できるのではないかと期待している。 さらに変異PI3Kが筋管細胞の分化にも働くという発見は、筋衛生細胞を増加させ筋の修復•再生にも関与することが期待出来る画期的なものであった。また変異PI3Kがヒトの細胞でも働くことからサルコペニアの治療に応用できることを期待している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の研究では、デイケアを行う高齢者に対して理学診療用器具低周波治療器を利用し下肢の筋力回復が電気刺激で促進されるかどうかの検討を行う。さらに、変異PI3Kをラットの繊維芽細胞に導入すると確立は低いが筋管細胞に分化するので、電気刺激は筋管細胞分化形成の促進効果があるかどうか検討する。電気刺激はPI3K経路を促進することが解っているので、電気刺激が筋管細胞形成を経てサルコペニアの筋再生に働くのではないかと考えている。
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Research Products
(2 results)