2016 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of protective effects on aged tissues in electrical stimulation therapy with Akt activity of mutant PI3K cells as an indicator
Project/Area Number |
26560294
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Research Institution | Kibi International University |
Principal Investigator |
河村 顕治 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 教授 (40278974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 良男 吉備国際大学, 保健福祉研究所, 教授 (70116200)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | サルコペニア / PI3K / Akt / 電気刺激 / 骨格筋 / 高ストレス耐性 / 長寿命化 / 健康寿命 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は2つの画期的な発見があった。1つはPC12m3細胞に100 mAの電気を30分与えたところ、電気刺激が増殖因子によるAkt活性を大きく抑制したことである。これは、電気刺激がAkt活性の抑制を介して長寿遺伝子FOXOの活性化に働くことを示している。2つ目は老化の最大の原因とされる活性酸素による傷害に対して、変異PI3K遺伝子は30倍もの抵抗力を与えることが判明したことである。これらの発見と平成26年、27年度の成果を合わせて考えると、加齢性筋肉減弱症(サルコペニア)は、電気刺激によって十分に予防できるという大きな成果を得ることができた。 本研究の目的は高齢者の転倒や寝たきりの原因となっているサルコペニアの予防と改善に、我々が開発した長寿遺伝子である変異PI3Kの働きをベンチマークとした電気刺激治療器活用法を確立することである。そのため平成26年度は、ストレス耐性、細胞長寿化に働く遺伝子変異PI3KをPC12細胞に組み込み、電気刺激による遺伝子の活性化と細胞ストレスの耐性を調べた。その結果、電気刺激が受容体の活性化に働き、改変PC12m3細胞は対照のPC12m3細胞に比べ約6倍の熱抵抗性を示し、変異PI3Kを発現する改変PC12細胞は物理刺激処理によるストレス耐性の上昇を示すことが明らかとなった。平成27年度は、サルコペニアを電気刺激治療によってストレス耐性、細胞長寿化を計りサルコペニアの予防法を確立するため、ストレス耐性、細胞長寿化に働く変異PI3Kと同様の働きをする物質の探索を行い、変異PI3Kと同様の働きをする化合物をキノコから発見した。研究期間全体を通じた研究の成果としては、電気刺激を30分与えることで長寿遺伝子のFOXOを活性化し、変異PI3Kと同様の作用をもつキノコ等の摂取が活性酸素による筋肉の老化を予防する可能性があることが判明した。
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Research Products
(4 results)