2016 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical Research on Dysmetria and Behavior
Project/Area Number |
26560302
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
二瓶 美里 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 講師 (20409668)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 認知 / 移動 / 操作 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、自動車や車椅子の運転行動に見られる横傾斜のない平坦走路での著しい片寄りや車間距離不定、歩行時に見られる歩行路の片寄りやふらつきなどの不安定な移動行動に着目し、これらに共通した要因を明らかにすることと、原因に応じた安全な移動支援の方策を提案することを目的とした。具体的には、小脳に起因する協調運動障害の一つである測定障害がこれらの不安全行動の一要因であるとの仮説を立て、測定障害が空間移動に与える影響を実証的に解明し、測定障害を定量的に把握する測定装置を開発することで、障害の程度に応じた支援方法を考案することとした。 これまでに、車線片寄りの評価と測定障害を測定するツールの開発を行い、空間行為全般において視空間認知機能や空間構成機能などの測定および検討などを行ってきた。さらに文献調査や知見の整理を行い、本年度は、自動車などの移動体を操縦する際に必要となる運動を修正する機能(運動調整機能)に着目した測定法および評価指標を提案し、加齢や軽度認知機能障害(MCI)による適応機能の変化について調べた。 評価システムでは定常状態から外乱を与えた後の運動調整過程における修正過程と収束過程から適応機能評価指標を提案した。また、提案した評価システムを用いて若年者10名、高齢者40名、MCI患者18名を対象として実験を実施した。その結果、提案指標を用いることで加齢により適応機能が低下すること、MCIあるいは軽度の認知症により適応機能が更に低下することが示された。
|
Research Products
(2 results)