2014 Fiscal Year Research-status Report
ロービジョン者の紙面書字活動を支援する新奇な拡大読書器の提案と開発
Project/Area Number |
26560321
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
坂本 隆 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 主任研究員 (90357111)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 拡大読書器 / 色覚 / ロービジョン / 視覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,拡大読書器の仕組みや機能を根本から見直すことによって,ロービジョン者(高齢者含む)向け視覚補助装置に,革新的な進歩をもたらす新技術の研究である.本研究が着目したのは,拡大された書字画面を見ながら,利用者が紙に文字を書くことが困難である,というような拡大読書器の機能や利用法に関する課題である.また据え置き型の拡大読書器は,利用場所が限定されるなどの問題もあり,拡大読書器の形態や構造の見直しも視野に入れている.こうした諸問題を解決する方法を模索し,拡大読書器の構造・形態・機能・利用法などについて,研究成果に基づく新たな提言を目指している. 初年度は,連携研究者とのディスカッション等を通じて明らかにされた問題点や今後の展望について,国際会議で報告すると共に,関連の情報収集に尽力した.当初の研究計画では,初年度に拡大読書器の光学系を設計する予定であったが,連携研究者とのディスカッションや,拡大読書器メーカー,および拡大読書器ユーザーからの要望などから,幾つかの重要課題が明らかになり,研究計画を軌道修正すると共に,撮像方式,提示する色の選択・変換手法,画像処理手法などについても調査した. 具体的には,上記ディスカッションと調査を通じて,1.接触型の撮像方式(スキャナー)の採用ができないか,2.ロービジョンの色覚特性を反映した画像提示ができないか,3.画像をそのまま提示するのではなく,OCRなどを用いて鮮明化できないか,などの課題が明らかになった.これらの課題については,次年度以降の研究対象とする予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では,初年度に拡大読書器の光学系を設計する予定であったが,連携研究者とのディスカッションや,拡大読書器メーカー,および拡大読書器ユーザからの要望などから,拡大文字の読みやすさ,鮮明さなどの重要課題などが明らかになり,研究計画を軌道修正すると共に,撮像方式,提示する色の選択・変換手法,画像処理手法について新たに調査した.これらの調査結果と分析については,次年度に学会などで発表予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
(1)接触型の撮像方式(スキャナー)の採用ができないか,(2)ロービジョンの色覚特性を反映した画像提示ができないか,(3)画像をそのまま提示するのではなく,OCRなどを用いて鮮明化できないか,などの課題について,検討をして研究を進める予定である.
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Causes of Carryover |
当初の研究計画では,初年度に拡大読書器の光学系を設計する予定であり,そのための光学系設計ソフトウエアを購入予定であった.しかし連携研究者とのディスカッションや,拡大読書器メーカー,および拡大読書器ユーザからの要望などから,拡大文字の読みやすさ,鮮明さなどの重要課題も明らかになった.特に重要な課題から解決すべきとの観点から,研究計画を軌道修正して,購入をいったん取り止めた.光学系設計ソフトウエアを優先的に購入する必要があるのかどうか,次年度中に見極めて,予算執行する予定である.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
理由の欄に記述した通り,光学系設計ソフトウエアの購入をいったん取り止めた.光学系設計ソフトウエアを優先して購入する必要があるのかどうか,次年度中に見極めて,予算執行する予定である.また撮像方式,提示する色の選択・変換手法,画像処理手法についての調査も継続するため,これらの情報を収集のために,学会参加・国際会議参加の旅費と学会参加費,文献資料代などに予算を充当する予定である.
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