2014 Fiscal Year Research-status Report
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26560325
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
宮崎 真 山口大学, 時間学研究所, 教授 (30392202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門田 宏 高知工科大学, 総合研究所, 講師 (00415366)
山田 祐樹 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (60637700)
岩田 誠 高知工科大学, 情報学群, 教授 (60232683)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ランダムネス判断 / 機能的磁気共鳴画像 / 外側後頭複合体 / 一次体性感覚野 |
Outline of Annual Research Achievements |
パタンランダムネス残効の発見とその心理物理学的特性 (Yamada, Kawabe, Miyazaki. 2013, Sci Rep) から,視覚パタンの乱雑さ処理に外側後頭複合体が関与するとする仮説を立て,機能的磁気共鳴画像 (fMRI) を用いて,その検証を試みた.fMRI測定中,被験者は,2次元ドットパタンの乱雑さ判断,および統制条件としてコントラスト判断を行った. 実験の結果,乱雑さ判断に特有の脳活動が外側後頭複合体に観測され,上記の仮説が立証された (山田,門田,土手,岩田,河内山,宮崎. 2014, 日本神経科学大会). さらに,外側後頭複合体以外にもいくつかの脳部位に乱雑さ判断特有の活動が観測されたが,そのなかで特に注目すべきは,視覚課題にも関わらず,一次体性感覚野が関連活動を示したことである (Kadota, Yamada, Dote, Iwata, Kochiyama, Miyazaki. 2014, Soc Neurosci).この結果は,視覚パタンの乱雑さ処理に手触り処理のための神経機構が関与している可能性を示唆するものと考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
fMRI測定により,心理物理学的成果 (Yamada, Kawabe, Miyazaki. 2013, Sci Rep) から導き出した仮説「視覚パタンの乱雑さ処理に外側後頭複合体が関与する」が立証された. さらに,視覚課題にも関わらず,一次体性感覚野に関連脳活動が観測されるという予想を越えた結果も得られた.これは,乱雑さ処理のマルチモダル性を示す全く新たな知見となることが期待される.
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Strategy for Future Research Activity |
Psycho-Physiologic Interaction (PPI) 解析法等を導入し,関連脳部位間の接続の全容の解明を進める.これにより,一次体性感覚野が視覚パタンの乱雑さ処理に関与している可能性の検証を試みる. 加えて,心理物理学的研究も進め,乱雑さ判断に関わる新たな現象の発見を試みると同時に,脳機能測定中に被験者が行う課題の開発・洗練化を進める.
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Causes of Carryover |
心理物理学測定にあたって,試験期間や授業期間終了等により被験者のリクルートが困難となった期間が生じたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上述の測定を次年度に行うため,その被験者謝金および,データの保存・処理のための電子媒体の購入を計画している.
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Research Products
(6 results)