スポーツ等における接地リズムの計測・誘導装置の開発と指導方法論

2014 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 26560334
• Research Institution: National Institute of Fitness and Sports in Kanoya
• Principal Investigator: 金高 宏文 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 教授 (40214928)
• Project Period (FY): 2014-04-01 – 2017-03-31
• Keywords: リズム / 接地 / 移調 / 拡散レーザー / 位置情報 / スポーツ / 誘導 / 方法論

Outline of Annual Research Achievements

本研究では,運動実践者固有の接地リズムをリアルタイムで時間的・空間的に計測し,それを手がかりに接地リズムを変調し,誘導できる「接地リズム計測・誘導装置」を開発するとともに,運動指導における「接地リズム(音)誘導の方法論」を明らかにすることを目的としている.
当該年度は,運動実践者固有の接地リズムをリアルタイムで時間的・空間的に計測できる拡散レーザーを用いた簡易な「接地リズム計測装置」の開発と,開発した計測装置による時間的・空間的情報の精度検証を行うことを目指した.
その結果，2台の拡散レーザーを用いた計測装置及びそのプログラムの製作を行うことができた．
次に計測装置による時間的・空間的情報の精度検証を行った.精度検証は,2 次元DLT法による画像分析のデータとの一致度で評価をした.その結果，静的な精度検証では高い精度を確認することができた．一方，走行では測定区間に入った1,2歩に測定誤差がみられる現象が生じた．しかし，それ以降の歩数では妥当な精度をもって計測できることが明らかとなった．このプログラム上の問題は，本年度の経費では解決できなかった．また，本研究では経費の関係で拡散レーザーが2台しか購入できなかった．そのため，当初予定していた100m×2mといった広範囲の計測範囲については検証できなかった．しかし，その他の計測区間についての精度は確認することができた．このことにより，来年度以降の運動指導における「接地リズム(音)誘導の方法論」を検討するための研究条件を整えることができた．

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

経費の関係で100ｍという広範囲の計測は不可能となったが，30ｍ四方の計測が可能となる装置及び計測プログラムを開発できたことは，当初の計画通りと考えられる．また，プログラム上の不具合で，幾分の計測誤差は観られるが，その点も計画段階で予想していた点であり，次年度研究に支障がでるものではない．計画段階より計測プログラムの改善経費も計上している．精度検証もほぼ予定通りであったことから，「おおむね順調に伸展している」と判断した．

Strategy for Future Research Activity

今後は,運動実践者固有の接地リズムを手がかりに,接地リズムを変調し,誘導できる「接地リズム誘導装置」を開発する. 計測範囲に入った運動実践者の任意の接地歩を手がかりに,それ以降の接地のタイミングを接地前に先取って発音し,接地リズムの誘導ができるようにする.その発音の先取りタイミングは,任意及び自動に可出来るようする. また,誘導した先取りの接地リズムと実際の接地リズムの時間的・空間的情報の差異を即座に提示できるようにする. 接地時間により,発音の音色や長さを可変出来るようにする(平成26年度の仕様修正を含む). 前年度作成した計測装置及びプログラムにおける不具合について修正を行う.

Causes of Carryover

当初の計画よりも計測器及びプログラムの完成が遅れ，研究成果発表を予定していた学会参加ができなかった．そのため，旅費の支出をするに至らなかった．

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度の研究成果の発表旅費の一部として活用する．