2014 Fiscal Year Research-status Report
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26560335
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Research Institution | Osaka Shoin Women's University |
Principal Investigator |
石蔵 文信 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 教授 (50303970)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | メタボリック症候群 / 発電 / ダイエット / 防災 |
Outline of Annual Research Achievements |
“カロリーをワットに”を合言葉に、発電装置がついた運動器具(エアロバイク発電機)のダイエット効果の基礎的研究と、普及に関する研究を行った。電源を安定供給できるエアロバイク発電機(アルインコ・エコバイク;市販型と創作機械工房 Piccolo S.P.A;改造型)を用いて、発電量と消費カロリーを検討した。発電量の目安として、スマートフォンの充電を目安とした。その結果、改造型の方がやや充電効率がよいものの、概ねスマートフォンを1%充電する消費カロリーは約12Kcalであった。当然であるが、できるだけ頑張って漕いだ時は充電速度は速く、ゆっくり漕いだ場合は充電時間が遅かったが、いずれの漕ぎ方もスマートフォンを1%充電する消費カロリーは同等であった。これにより、体力のある若者が短時間で漕ぐことも意味はあるが、体力的に長時間の発電は困難であり、むしろゆっくり漕いだ方が発電量は大きくなる可能性が示唆された。この事より、時間のない就労者よりも、定年後、比較的体力と時間のある中高年男性などが自転車発電に適していると思われた。就労者に関しては協力企業にてエアロバイク発電機を用いて定期的に自身の携帯を充電するテストを行っているが、携帯の充電だけでは定期的な運動から脱落しやすいと思われた。効果に関しては現在、身体検査や血液検査を分析中である。さらにエアロバイク発電機の普及活動に関しては比較的順調で、公共施設としては東大阪アリーナ・吹田市目俵・片山体育館・茨木市男女共同参画センターに設置し、健康と災害時の非常電源として注目されている。さらにマスコミなどで広く報道されて以来、多くの施設から設置の希望があり、関心の高さを実感している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基礎的検討で充電量と消費カロリーの関係を明らかにできた。今後はさらに細かい検討が必要と考えられる。実際の職場で研究協力者に携帯の発電を目標に持続的な運動ができるかを検討したが、携帯の充電だけでは運動が長続きしないことがわかり、今後はほかの方法も組み合わせて再度検討する予定である。啓発活動は新聞・雑誌・テレビなどで幅広く紹介され、公共団体(吹田市・東大阪市・茨木市など)の協力を得て予想以上に進行している。今後は設置した場所での効果判定を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策として、1.携帯電話以外の各種機器の充電効率と消費カロリーの関係の検討。2.職場でのエアロバイク発電機を用いた運動を継続させるための方策と健康指標の推移の検討。3.エアロバイク発電機を用いた運動が臨床におけるメタボリック症候群やロコモティブ症候群などの改善効果の検討。4.公共機関と連携してエアロバイク発電機を用いた運動の啓発活動。5.さらに効率のよいエアロバイク発電機を開発するためにものづくり関連団体との意見交換 などを予定している。
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Causes of Carryover |
当初予定していたエアロバイク発電機(創作機械工房 Piccolo S.P.A;改造型)が約20万円で計上していたが、入手が容易ではないこと、予算が削減されたことや改造型なので安全性の検証がなされていないことから、市販型のアルインコ・エコバイク(約3万円)で実証実験を行ってきた。また、臨床でのボランティア募集が遅れたために目標の症例に達しなかった。27年度は様々な臨床現場での検討を行う予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
引き続き基礎的検討を行う予定である。また協力機関がふえてきたので、次年度に多くのボランティアや症例を集めて臨床研究をする予定である。また、各種団体(主に公共機関)からの問い合わせが多く、エアロバイク発電機と健康に関する啓発活動も積極的に行っていく予定である。また、海外でのエアロバイク発電機を用いた事業に関して情報を収集する予定である。
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Research Products
(7 results)