2014 Fiscal Year Research-status Report
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26560336
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Research Institution | Physical Fitness Research Institute, Meiji Yasuda Life Foundation of Health and Welfare |
Principal Investigator |
須藤 みず紀 公益財団法人明治安田厚生事業団体力医学研究所, その他部局等, 研究員 (10585186)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 運動 / メンタルヘルス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,運動によるメンタルヘルスの向上に関係していると考えられるタンパク質や神経伝達物質に着目し,運動により骨格筋-血液-脳において,これらの物質がどのような変化を示すのかを明らかにすることが目的である.平成26年度は,運動モデルの確立,及び,脳由来神経伝達物質(BDNF)の測定方法の確立を目指した. 対象は,Wistar雄性ラット(10週齢)とした.運動モデルは,局所における筋収縮モデルと全身性の運動モデルの2種類とした.局所的な筋収縮は,後肢筋を対象に電気刺激による強縮を実施した.また,受動的な全身運動は,走行速度が異なるトレッドミルを用いた運動の効果について検討中である. BDNFの定量は,ELISA法による測定を試みた.対象とした組織は,前頸骨筋,血清,海馬,小脳,心臓であった.ELISA法による測定では,脳組織内におけるBDNF濃度は部位ごとで差がみられた.現在,運動による骨格筋,血清,脳のBDNFの変化について検討中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請の時点において,所属先の研究環境では実施可能な研究であった.しかしながら,採択後の所属が変更し,新たな実験環境の準備が必要な状態となった.そのため,実施可能な環境の準備に時間を費やしたことから,計画からの多少の遅れが生じた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の予定として,運動刺激がメンタルヘルスの変化に及ぼす影響を明らかにするために1.骨格筋-血液-脳の各部位での運動によるBDNF発現のレベルの変化とメンタルヘルスの向上の関係,2.一過性,及びトレーニングによるメンタルヘルスへの影響について,検討する必要があると考えている.そこで,実施中の2種類の運動負荷後に,行動実験を実施する予定である.行動実験の結果と骨格筋,血液,脳におけるBDNFの濃度変化との関係を検証することで,これらの関係性を明らかにし,メンタルヘルスのバイオマーカーとなる可能性について探る.さらに,運動トレーニングを実施し,運動がメンタルヘルスの向上をもたらす機序について検討することを計画している.
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