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2014 Fiscal Year Research-status Report

動作依存力の巧みな利用:ボールリリース時の指とボールの運動特性の関係から

Research Project

Project/Area Number 26560350
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

松尾 知之  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00209503)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 木下 博  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60161535)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2016-03-31
Keywordsスポーツバイオメカニクス / 身体システム学 / 運動制御
Outline of Annual Research Achievements

目標に向かって投擲物を速く正確に投げるためには,時間的にも空間的にも極めて精緻な運動制御が要求される.本研究は,野球の投球中の指とボール間に働く力の作用を計測し,身体各部位の動きによって生じたボールの運動エネルギーを投球方向に制御する巧みな運動制御についての理解を深めることを目的として実施された.
目的達成のために2つの方法で実験を行った.1つはモーションキャプチャーによる方法でボールの加速度から間接的に力の作用を検討する方法.もう一つは,ボールに力覚センサーを埋め込み,指とボールの間に働く力を直接計測する方法.前者の実験により,以下のことが明らかとなった.ボールリリース(以下,BRL)前8msからボールは手掌上を転がり始めた.その転がり始める直前に(BRL前11ms),ボールが手から飛び出さないように求心力として約200Nの力が働いていた.また,BRL前5msの時点で約90Nの力が投球方向へ加えられていた(ボールの初速度は約36m/s).また,すべての被験者がBRLの前後で前腕の回外運動を行っており,投球の水平方向の制御を考える上で,重要な役割を果たすものと考えられる.
力覚センサーを用いて一本々々の指がボールに加える力を直接的に計測した結果は,上記の間接法を支持するもので,中指ではBRL前8msの時点で約90Nの力(合成力),示指ではBRL前6msの時点で約90Nの力(合成力)が加えられていた.また,BRL前約40msの時点に最初の力のピークを迎えており,二峰性のピークを生成していた.これについては間接法では観察できなかったことで,ボールが手掌から飛び出さないようにするための抑止力以上の力を発揮していたことを示す.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

力覚センサーを埋め込んだセンサーボールから有線でアンプに繋ぎ,投球中の指先に加わる力を計測するところまでは順調に進んだ.そこで,それをさらに改良し,無線化することによって,被験者に対する物理的・心理的障害をなくすことに挑戦することにしたために,若干の遅れが出ている.この無線化には,研究協力者およびセンサーを開発している業者との連携が必要であり,そのことも遅延の1つの原因となっている.万が一,改良がうまくいかなかった場合には,元の計画通り,有線での計測を再開する.しかしながら,改良は最終段階に来ており,近々完成する予定で,次年度中に遅れを取り戻せるものと考えている.

Strategy for Future Research Activity

新たに改良したセンサーボールを使って,投球中の指の力を計測する.実験は2種類実施する.1つは,速度の条件を3種類(65%,80%,95%)に設定して行う速度変化実験で,通常の実験室内で投球し,力と速度の関係を把握するために行う.2つめは,モーションキャプチャーシステムを利用して,リリース時の指の動きを同時に計測する同時計測実験である.これは,通常の投球距離を確保できる体育館型の大きな実験室で,室内マウンドを利用して投球し,指の動きと力の関係を把握することを目的に実施する.
被験者はいずれも大学野球または社会人野球の投手で,前者は20名程度,後者は10名程度を予定している.センサーボールの無線化に伴う若干の遅れを取り戻すために,この研究へのエフォートを高めるとともに,既に研究協力を取り付けている研究協力者と協力して実験の遂行とその後の分析作業を行う.

Causes of Carryover

有線方式のセンサーボールがうまく稼動したため,それを改良して無線化に挑戦している.現在,その改良の最終段階にあるものの完成していないために,複数の力覚センサーを用意するに至っていない.それによって力覚センサーの購入を控えており,その分を次年度使用額として残している.

Expenditure Plan for Carryover Budget

ボールに埋め込む小型力覚センサーを最低3つ用意する必要があることから,そのための工作費用も含めて60万円を計上した.実験実施のための国内旅費(10万円)と研究成果の発表等のための国内旅費(15万円)で合わせて旅費として25万円.実験被験者への謝金(15万円)や実験補助者やその後のデータ分析補助者へのアルバイト代(30万円)で,人件費として合わせて45万円.学会参加費(2万円)や英文論文の校正費(10万円)で,その他として12万円を予定している.

  • Research Products

    (3 results)

All 2014

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] 野球投球時のボール反力計側2014

    • Author(s)
      木下博,小幡哲史,那須大毅,伊藤太郎,門田浩二,松尾知之
    • Organizer
      第35回バイオメカニズム学術講演会
    • Place of Presentation
      岡山大学(岡山・岡山)
    • Year and Date
      2014-11-08 – 2014-11-09
  • [Presentation] 野球投球におけるボール反力2014

    • Author(s)
      木下博,小幡哲史,那須大毅,門田浩二,伊藤太郎,松尾知之
    • Organizer
      第23回日本バイオメカニクス学会大会
    • Place of Presentation
      国立スポーツ科学センター(東京・北区)
    • Year and Date
      2014-09-13 – 2014-09-15
  • [Presentation] Finger forces during baseball pitchin2014

    • Author(s)
      Hiroshi Kinoshita, Satoshi Obata, Daiki Nasu, Koji Kadota, Tomoyuki Matsuo
    • Organizer
      The 32nd International Society of Biomechanics in Sports
    • Place of Presentation
      Johnson City, TN, USA
    • Year and Date
      2014-07-12 – 2014-07-16

URL: 

Published: 2016-05-27  

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