2016 Fiscal Year Annual Research Report
Sports Biomechanics of skeletal muscles with finite element simulations
Project/Area Number |
26560351
|
Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
小田 俊明 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (10435638)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 筋機能 / シミュレーション / 腱膜 / 結合組織 / 有限要素法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,昨年度に続き,筋腱複合体の有限要素シミュレーターシステムを使用し,特に,任意の単純化した人工形状において筋収縮挙動に関わる解析を進めた.まず,生体内に多数存在する単羽状筋の筋腱複合体モデルを作成し,初期長の異なる等尺性条件と収縮速度を変化させる条件にて,いわゆる力ー長さ関係と,力ー速度関係をシミュレートした.次に,それらの関係に結合組織(腱組織と筋を包む腱膜)の力学的な性質(stiffness)が,発揮される最大筋力に与える影響について検討した.その結果,筋腱複合体の力-長さ関係では,腱膜の硬いモデルにおいて最大収縮力が増加し,その影響は筋腱複合体長が変化しても維持された.また,腱膜が柔らかい場合,ピーク筋力が筋腱複合体長の長い方へ移動し,最大筋力に近い筋力を発揮可能なoperating rangeが広くなった.力-速度関係では,腱膜が硬いほど,同一短縮・伸長速度において大きな筋力が発揮される傾向が観察された.これらの原因は,柔らかい腱膜では,全体的に収縮時の筋線維長が短くなり(短縮量が多くなり),筋線維の力-長さ関係の上向脚における力発揮ポテンシャルが小さいことで概ね説明された.一方,力-速度関係では,筋線維の長さ分布の違いに加え,収縮速度の増加による力発揮ポテンシャルの変化も影響していた.本研究の結果は筋腱複合体の形状が同一であっても,トレーニング・リハビリテーション等により腱膜のstiffnessを高めることで筋腱複合体の機能に有利な影響を与える可能性が高いこと,ならびに腱膜のstiffnessが筋腱複合体の静的・動的筋力の規定因子として重要な要素の一つである可能性を示唆していた.上記に加え,シミュレーションでの解析に今後使用していくことを念頭に,トップアスリートの腱腱の形態特性の測定を実施した.
|
Research Products
(8 results)