2016 Fiscal Year Research-status Report
筋肥大を目的とした効果的なトレーニング法の開発:運動時の吸引酸素濃度に着目して
Project/Area Number |
26560353
|
Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
宮本 直和 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 准教授 (20420408)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 健志 立命館大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (70511608)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 低酸素 / 骨格筋細胞 / 分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、科学的根拠に基づいたトレーニングプログラムが数多く考案されているにも関わらず、筋肥大を目的とした効果的なトレーニング法は数十年間変わっていない。本研究では、レジスタンス運動時に吸引する酸素濃度を低下させ、骨格筋内の酸素化レベルを低下させた状態でレジスタンストレーニングを行うと、従来法よりも大きな筋肥大を引き起こすことが可能であると仮説を立てた。この仮説を検証するために、(1)一過性のレジスタンス運動を対象に、筋内の酸素化レベルが最適となる吸引酸素濃度を決定し、(2)その酸素濃度を吸引した状態でのレジスタンストレーニングが、通常の酸素濃度吸引状態における従来法よりも効果的であるのかについて検討し、筋肥大に効果的な新たなトレーニングプログラムを開発することを目指す。平成28年度は、上述(1)の最適酸素濃度を決定するにあたり、まずは骨格筋細胞を低酸素状態に曝露した際の応答について検討した。実験の結果、低酸素環境下における骨格筋細胞の分化誘導では、骨格筋細胞の分化は遅延もしくは減弱することが確認された。加えて、その機序に関しては、MyoD、Myogenin、Myostatinといったタンパク質の発現量の変化が関与していることが明らかとなった。本研究は,主に酸素濃度3%の環境が骨格筋細胞の分化誘導に及ぼす影響を検討したが、酸素濃度5%における実験結果とは相違する点が見受けられた。今後,本検証では標的としなかったタンパク発現の調査や動物実験を踏まえた検証が必要であると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
骨格筋細胞を用いた実験において芳しい結果が得られなかったため、人間での検証実験に至らなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
28年度において見つかった課題を解決すべく取り組む。
|
Causes of Carryover |
低酸素環境下でのトレーニングを行うにあたり、網羅的に様々な酸素濃度条件で実験を行うことは、必要とされる被検者数や設定条件数などの面において非現実的かつ非効率的であった。そのため、まずは、主に研究分担者が担当する筋細胞および動物を用いた実験において、最適な酸素濃度を決定することに計画を変更したため、物品費・人件費等で未使用額が生じた。しかしながら、研究分担者および代表者は、他の業務もあるため、進捗に遅れが生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
これまで以上に研究分担者と密に連絡を取り合い、精力的に実験を進めることによって、物品費・人件費等で使用する予定である。
|