2014 Fiscal Year Research-status Report
骨格筋細胞膜の静電容量(Cm)の生体内非侵襲的測定による新しい筋機能評価法の確立
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26560354
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
山田 陽介 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 基礎栄養研究部, 研究員 (60550118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 裕也 京都学園大学, 公私立大学の部局等, 客員研究員 (70644376)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生体電気インピーダンス分光法 / 筋細胞膜 / 静電容量 / 固有筋力 / 筋生理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢に伴って骨格筋量は低下するが、筋量の低下率よりも筋出力の低下率のほうが大きく、筋量と筋力との関係にはギャップが存在する。そのギャップの要因として、神経系要因以外にも骨格筋の構造的変化や筋内組成変化が存在する。単位筋量あたりの発揮筋力を固有筋力というが、加齢に伴う固有筋力の低下には、神経系要因以外にも速筋線維の選択的萎縮(Lexell et al. 1988)や骨格筋内の脂肪、結合組織、細胞外液量の増加(e.g. Goodpaster et al. JAP 2001; Yamada et al. JGMS 2010; Yamada et al. JAP 2013; Fukumoto et al. EJAP 2012)といった質的な変化が関連している。その他に、動物の摘出筋を用いた研究では、老化に伴って筋細胞膜の電気特性が変化する可能性が指摘されている。筋細胞膜はリン脂質二重層から構成されており、電気回路上、非常に高性能なコンデンサとして機能する。筋細胞膜の静電容量(Cm)は、細胞内外の電位差を形成し神経からの電気情報を筋収縮に変換するために非常に重要なものである。本研究では、このCmを非侵襲的に生体内で評価する新規手法について妥当性を検討することを目的としている。本年度においては、幅広い年代の200名のCm を計測し、筋力や筋パワー、固有筋力との関係を明らかにすることを目的に実験を行った。測定は、ウィスコンシン大学、京都府立医科大学、東京で実施している。結果については現在、解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、摘出筋では重要性が指摘されていた筋細胞膜の静電容量(Cm)を非侵襲的に生体内で評価する方法の開発と妥当性検討を行っている。研究計画は2年間であり、初年度である今年度は、当初、予定されている200名の測定を実施することができた。現時点で測定結果を解析中である。また、高齢者の筋生理学に詳しい渡邊裕也氏が研究分担者に加わったことで、要介護高齢者等を計測する研究体制も構築できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策としては、要介護高齢者、脊髄損傷を有する者、脳卒中患者等、筋萎縮が進行している状況の筋細胞膜の静電容量の計測を行うことで、より詳細な方法論の確立を行うこととする。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が20,231円生じた。研究計画自体は初年度のおおむね当初計画どおり進行しているが、論文作成が遅れている。この次年度使用額は論文投稿にかかる英文校正または投稿料に相当する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度分として請求した助成金と合わせて論文投稿にかかる費用として使用する。
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Research Products
(6 results)