2014 Fiscal Year Research-status Report
潜在学習を考慮した知覚運動スキルトレーニングシステムの開発
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26560356
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
加藤 貴昭 慶應義塾大学, 環境情報学部, 准教授 (30365481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永野 智久 慶應義塾大学, 総合政策学部, 講師 (10424194)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 知覚運動スキル / 眼球運動 / 身体運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度(平成26年度)の研究目標は、まず「知覚運動スキルトレーニングシステムの開発と評価」として、特定の競技スポーツと武道の競技種目を対象に知覚運動スキルが発揮される場面を選定し、計測およびトレーニングに必要となるシステム環境の構築を目指すことであった。また関連して「熟練競技者に共通する知覚運動スキル特性の検討」では伝統的な日本武術に伝わる『遠山の目付』について中心的に検証することであった。主な実績は以下の通りである。 「課題1:知覚運動スキルトレーニングシステムの開発と評価」 主な競技タスクとして、野球の守備動作、サッカー・ハンドボール・アイスホッケーのゴールキーピング動作、剣道の対峙を調査対象とした。次に計測およびトレーニングシステムのための全身反応計測および大型スクリーン刺激呈示機器について、候補となる設備の検証を行った。特に知覚運動スキルを評価するためには光学式モーションキャプチャシステムと、眼球運動計測装置を同期させる計測システムが必要であることが分かった。また、詳細なデータ計測を行うために空間および時間分解能に優れた高価な計測環境と、分解能は劣るもののより簡便で、較正時間も短縮できる計測環境の両者の実現が可能となったが、さらに簡便なシステム環境の候補もあり、次年度に向けて継続して課題に取り組む予定である。 「課題2:熟練競技者に共通する知覚運動スキル特性の検討」 課題1にて得られた実験データを元に、各種競技の熟練競技者に見られる知覚運動スキルについて考察を行った。特に伝統的な日本武術に伝わる『遠山の目付』について検証を行い、単に高速な眼球運動を必要とするのではなく、環境に応じて広い視野を確保するために視線を安定的に保ちながら、身体運動との協調関係を促すための知覚運動連携を実現するための熟練メカニズムの一部が解明された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特定の競技タスクに関する計測および呈示方法については、ほぼ当初の予定通りのデータが得られた。また、異なる特徴を持つ2つのシステム環境の構築が可能となったが、さらに簡便なシステム環境の候補も見つかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は改めて対象競技タスクについて検討し、さらなるデータの充実を図るとともに、新たなシステム環境の構築について検討していきたい。続いて課題3である潜在学習による知覚運動スキル獲得のための新たな学習方略について検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は概ね予定通りの必要な機器の調達ができたが、若干予定した機材が安価に購入することができ次年度への繰越金が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度はより良い成果を目指し、研究計画の軽微な変更を行う予定である。また課題3を遂行する上で必要な映像関連機器の調達を中心に使用していく予定であるが、加えてこれまで得られた成果を発表するための経費に使用することを考えている。
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