2014 Fiscal Year Research-status Report
糖化ストレスが骨格筋機能およびシグナル伝達ネットワークにおよぼす影響の包括的探索
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26560371
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Research Institution | Toyohashi Sozo University |
Principal Investigator |
江川 達郎 豊橋創造大学, 健康科学研究科, 学振特別研究員(PD) (00722331)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 終末糖化産物 / AGEs / 骨格筋 / 逆相タンパク質アレイ / シグナル伝達 / リン酸化 / 糖化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
糖とタンパク質が結びつくことによって生成される終末糖化産物AGEs(advanced glycation end products)は、糖化ストレスにより組織・細胞障害を誘発する。しかし現在のところ、糖化ストレスによる骨格筋機能への影響および作用機序については明確でない。本年度は、糖化ストレスが骨格筋シグナル伝達分子の動態に及ぼす影響について検討した。分化させて筋菅細胞を形成させたマウス由来筋芽細胞(C2C12)に対して、AGEs(carboxymethyl lysine-BSA, carboxyethyl lysine-BSA, glycolaldehyde-BSA)を0.1 mg/mlの濃度で添加した。37℃、24時間のインキュベーション後、細胞を回収・粉砕し、得られた抽出液に対して逆相タンパク質アレイ法を行い、180種類のタンパク質リン酸化状態を網羅的に解析した。その結果、AGEs添加により76種類のタンパク質のリン酸化状態の変化を検出した。また、クラスター解析の結果、顕著に増加が認められたタンパク質は2種類、顕著に減少が認められたタンパク質は15種類であった。以上、AGEs添加に伴い、骨格筋培養細胞においてタンパク質リン酸化状態が影響を受けることが明らかになった。今後、AGEsによるタンパク質リン酸化状態の変化が、骨格筋の機能的および量的変化を引き起こす起因になり得るのかについて検証を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、逆相タンパク質アレイ解析を行い、糖化ストレスによる骨格筋タンパク質リン酸化状態の変化を網羅的に解析した。解析サンプル数は予定よりも少なかったが、糖化ストレスが骨格筋シグナル伝達ネットワークに及ぼす影響の全体像を把握することができた。したがって、次年度以降の研究を推進するうえで、十分な結果が得られたと考えており、研究はおおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の結果により、糖化ストレスが骨格筋機能および形態に与える影響がおおむね推定できた。今後は本年度の結果をもとに、in vivoへの検討へと展開していく。具体的には、実験動物に対しAGEs摂取による糖化ストレスを与え、骨格筋の生理学的機能および形態的変化を明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
逆相タンパク質アレイ解析を複数回行う予定であったが、必要研究試薬の入手が滞ったために解析回数が1回にとどまった。そのため、解析費用が予定よりも少なくなり未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
試薬入手の都合上、逆相タンパク質アレイ解析の続行は困難であるが、ウエスタンブロット法による解析で代替することにより研究遂行への支障はない。一方、本年度の結果から、生体を用いた検討での測定項目が増加することを見込んでおり、未使用額と合わせて研究試薬および研究備品の購入に充てる予定である。また、研究成果発表のための旅費および論文投稿費用、掲載費用の計上を計画している。
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Research Products
(20 results)
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[Presentation] Responses of circulating microRNAs to unloading-associated atrophy and reloading-induced regrowth of mouse hindlimb skeletal muscle2014
Author(s)
Suzuki M, Egawa T, Ikuta A, Goto A, Yokoyama S, Ohno Y, Sugiura T, Ohira Y, Yoshioka T, Goto K
Organizer
2014 Australian Physiological Society (AuPS) Meeting
Place of Presentation
Brisbane, Australia
Year and Date
2014-11-30 – 2014-12-03
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