2014 Fiscal Year Research-status Report
骨格筋細胞はアディポネクチンを分泌して糖脂質代謝を亢進するか?
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26560372
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Research Institution | Toyohashi Sozo University |
Principal Investigator |
後藤 勝正(山下勝正) 豊橋創造大学, 保健医療学部, 教授 (70239961)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 骨格筋細胞 / 分化 / アディポネクチン / アディポネクチン受容体 / オートクリン / パラクリン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、骨格筋細胞がアディポネクチンを分泌するか検討すると共に、骨格筋細胞に発現するアディポネクチンの生理学的意義を明らかにすることを目的とし、2年計画で研究を実施する。初年度である平成26年度は、骨格筋細胞からのアディポネクチン分泌とその生理作用について検討した。マウス筋芽細胞由来C2C12細胞を用いて、分化誘導25時間前のC2C12筋芽細胞に対してsiRNAをトランスフェクションして、C2C12筋芽細胞に発現するアディポネクチンをRNA干渉法によりノックダウンした。siRNA処理を24時間行った後、C2C12筋芽細胞を筋管細胞へ分化誘導し、分化の様相を経時的に観察した。その結果、本研究で用いたsiRNAによりアディポネクチンの発現がmRNAレベルで約60%抑制された。C2C12筋管細胞の直径ならびに筋タンパク量は、分化誘導開始後徐々に増大したが、アディポネクチンノックダウンにより、両者共にその増大が抑制された。また、分化誘導1日後にmyogenin発現を比較したところ、アディポネクチンノックダウンによりその発現が抑制された。以上の結果より、筋芽細胞に発現するアディポネクチンは、筋管細胞への分化を促進する作用を持つことが明らかとなった。この筋細胞に発現するアディポネクチンの作用は、アディポネクチン受容体を介したものであるか、C2C12筋芽細胞のアディポネクチン受容体1のノックダウンを試みた。同様にアディポネクチン受容体1のノックダウン処理後に分化誘導したところ、アディポネクチンノックダウンと同様に筋管細胞への分化が抑制された。したがって、骨格筋細胞に発現するアディポネクチンは細胞外へ分泌され、オートクリンあるいはパラクリン様に振る舞い、筋細胞の分化を促進することが示唆された。今後、さらに解析を進め、骨格筋細胞由来アディポネクチンの生理作用を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、骨格筋細胞がアディポネクチンを分泌するか検討すると共に、骨格筋細胞に発現するアディポネクチンの生理学的意義を明らかにすることを目的としているという意味では、これまで実験は順調に推移している。しかし、当初予定していたアディポネクチンによって引き起こされる細胞内シグナル伝達やアディポネクチン以外の分泌分子の解析より先に、当初2年目に実施予定であったアディポネクチン受容体1のノックダウン実験に着手し仮説通りの結果が得られつつあることから、おおむね順調に推移していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
2か年計画で実施される研究の2年目である平成27年度では、これまでに得られた結果を基にして、骨格筋細胞由来アディポネクチンの生理作用を明らかにする。アディポネクチン受容体1ノックダウンの影響についてより詳細な解析を進めると共に、アディポネクチンとアディポネクチン受容体1の両遺伝子を同時にノックダウンすることで、C2C12筋芽細胞の分化に対する影響を追究する。これにより、骨格筋細胞に発現するアディポネクチンとアディポネクチン受容体の関係性を検討すると共に、骨格筋細胞由来アディポネクチンの生理作用を明らかにする。そして、骨格筋由来アディポネクチンが全身糖脂質代謝に及ぼす影響を追究する。さらに、アディポネクチン以外に骨格筋細胞から分泌される分子とその生理作用を追究し、骨格筋細胞自身によるセルフコントロール機構の存在とその生理学的意義を明らかにする。得られた研究成果は取りまとめ、積極的に学会発表などを通じて公表していく予定である。
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Research Products
(24 results)
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[Presentation] Skeletal muscle function and serum thiobarbituric acid reactive substances level are improved by the combination treatment of catechin-ingestion with heat stress in healthy elderly women2014
Author(s)
Toshitada Yoshioka, Hodeshi Oda, Noriyasu Ota, Atsuya Watanabe, Hidefumi Kitazawa, Michihito Igaki, Atsushi Suzuki, Akira Shimotoyodome, Tadashi Hase, Takao Sugiura, Katsumasa Goto
Organizer
43rd European Muscle Conference 2014 (EMC 2014)
Place of Presentation
Salzburg(Austria)
Year and Date
2014-09-10 – 2014-09-14
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[Presentation] Essential role of ankle dorsiflexion as the countermeasure for soleus muscles in human subjects2014
Author(s)
Hirooki Okabe, Tomotaka Ohira, Kawano Fuminori, Yoshihiko Oke, Ryo Fujita, Takashi Ohira, Naoya Nakai, Luna Ohira, Katsumasa Goto, Hisashi Naito, Yoshinobu Ohira
Organizer
International Society for Gravitational Physiology 2014
Place of Presentation
Waterloo、Ontario(Canada)
Year and Date
2014-06-15 – 2014-06-20
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