2014 Fiscal Year Research-status Report
iPS細胞を用いた次世代再生医療の実現と国民の意識基盤作りに向けた保健教育の考案
Project/Area Number |
26560377
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
瀧澤 利行 茨城大学, 教育学部, 教授 (80222090)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 研治 茨城大学, 教育学部, 准教授 (00312596)
廣原 紀恵 茨城大学, 教育学部, 准教授 (70516004)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 学校 / 保健 / 教育 / 再生医療 / iPS 細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本をはじめ全世界では,iPS 細胞を用いた新しい再生医療の実現に向けて研究がスタートした。文部科学省では実用化に向けたロードマップが作成され,現在,医療技術開発を中心に大きく進み出している。そして,早くも 2014 年 9 月には世界ではじめての iPS 細胞を用いた臨床試験が行われた。本研究では「学校での教育」という側面,特に,「保健」という視点から学校での教育のポイントを明確化して教育内容の提言を行い,先行している医学面での基礎研究および臨床研究に加え,教育面でのサポートによって新しい再生医療に向けた国民の社会的意識基盤を作ることを目的としている。H26 年度の成果として,当初の計画通り,iPS 細胞と再生医療に対する質問紙調査を (1) 中学生,高校生および大学生,(2) 医療従事者に対して実施した。その成果は学会および論文として公表した。2014 年 12 月 23 日には,シンポジウム「iPS 細胞と再生医療の現状とその未来」を開催した。県内外から約 200 名の中学生,高校生,大学生,教職員,保護者が参加した。京都大学 CiRA から八代嘉美准教授をお招きし,ポスター作成には附属中学校の 3 年生に協力して頂いた。さらに,再生医療をわかりやすく理解するための教材を開発し,上記シンポジウムで実践した。また,CiRA による最先端研究の動向や情報を収集し同じ方向性を持って進めるために,上記研究所の研究者等と双方向の連絡が取れるような体制を構築できた。以上,1 年間の成果を通して,これから身近になってくるであろう iPS 細胞を用いた再生医療について,国民はとても期待し医療としての現実性にも意識が向きつつあること,しかしながら,それらを理解する仕組みが未だ無いためにきちんとした情報源がほしいと考えていることが示唆され,本研究の重要性を認識した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画に従い,順調に研究を進められたため。すなわち,計画通り,iPS 細胞と再生医療に対する質問紙調査を (1) 中学生,高校生および大学生,(2) 医療従事者に対して実施した。(1) については,再生医療の実現に期待し治療の際の選択肢の一つと捉えていること,そして様々な面で情報を求めていることが明らかになった。考え方には男女差が認められた。(2) については,iPS細胞や再生医療を治療の一つとして賛成としていた。その成果は学会および論文として公表した。また,再生医療に関する知識は複雑な内容を含んでいる。そのような複雑な知識を正しく理解できる方法が再生医療の発展とともに不可欠になると考え,分かりやすくかつ楽しんで学んでもらえるように「iPSさいぼうBINGO」を考案した。「iPSさいぼうBINGO」はプレイヤー同士のコミュニケーションを通じて楽しさを味わいながら iPS 細胞や再生医療について理解を深める教具であり,2014 年 12 月 23 日に開催したシンポジウム「iPS 細胞と再生医療の現状とその未来」で実施し好評を得た。
|
Strategy for Future Research Activity |
質問紙調査結果について,投稿論文を作成し公表する。 再生医療は,科学・医療・社会が融合したテーマとなるため,子どもたちがそれらについて授業や実習等を通して理解していけるような内容の授業・実習等を立案し,高校や中学校で実践してモデル教育を提言する。 再生医療の基礎・臨床研究を最先端で行う京都大学 CiRA とのつながりを大切にし,再生医療に関わるシンポジウムを CiRA と連携しながら開催する。
|
Causes of Carryover |
論文掲載料が平成 27 年度になったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文掲載料として公表するにあたり使用する予定。
|
Research Products
(4 results)