2015 Fiscal Year Research-status Report
認知・脳機能を基盤とした大学生のインターネット依存と留年・休学予防プログラム作成
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26560382
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
池田 英二 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (20420672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平安 良雄 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70244324)
塩崎 一昌 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員准教授 (50381489)
高橋 健太郎 神戸大学, 保健管理センター, 助教 (30379367)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 学校保健 / インターネット依存 / 脳機能 / ストレスコーピング |
Outline of Annual Research Achievements |
過度のネット利用は、大学生の修学や生活に悪影響を及ぼしているのは間違いなく、ネット依存への対策は喫緊の課題である。 我々はまず、実態調査として、平成26年度に神戸大学の学部1年生から3年生までの学生全員に対してネット依存とストレスコーピングスタイルに関して記名式アンケート調査を実施し、依存状態が疑われる学生は1年生では約3%だったのに対し、2、3年生では、約9%と急増することを明らかにした。そこで、平成27年度は直接的に個人個人の変化を捉えることを目的に、同様の記名式アンケート調査を1年生から4年生までの全学部生に実施した。また、横浜市立大学においても同様の調査を開始した。(この調査は平成28年度も継続することとしており、縦断データの解析は平成28年6月の調査終了時点にまとめて行うこととしている。) さらに、平成27年度は、ネット依存と脳機能の関連、あるいは衝動制御系・行動賦活系尺度との関連を調査した。この調査は埼玉大学のボランティア学生20名に対して行った。脳機能は言語流暢性課題(特定の文字から始まる単語をできるだけたくさん言ってもらう)遂行時の前頭葉の脳血流変化とし、近赤外線分光装置で計測した。この調査では依存傾向と脳機能、行動制御系・行動賦活系尺度との間に有意な関連は認めなかった。これはボランティアに高依存状態が疑われる者がいなかったことや、人数が少なかったことによることも影響しているものと思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
脳血流評価とともに表情識別時の凝視点の評価を実施すべく、アイトラッカーを購入し、実験に使用する予定であったが、アイトラッカーのソフトウェアに不具合があり、その修正に時間がかかり、年度末までアイトラッカーが使用できなかったため。そして、それに伴い、ネット依存防止プログラムの作成ができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
脳機能(脳血流)評価に用いる課題を言語流暢性課題に、表情識別課題を加え、より多面的に評価することとする。また、縦断調査の結果から、特に依存状態へ進展しやすいストレスコーピングスタイルと認知課題遂行時の脳血流及び視線の特徴を特定し、認知行動療法的なアプローチから、ハイリスクグループに対するネット依存防止プログラムを作成する。
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Causes of Carryover |
全体的に研究計画の進捗が遅れており、ネット依存防止プログラムの作成にとりかかれなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ネット依存防止プログラムの作成と検証に使用する。
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