2014 Fiscal Year Research-status Report
ソーシャルマーケティングを用いたメンタルヘルス・プロモーション活動の普及啓発
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26560386
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
竹中 晃二 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (80103133)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | メンタルヘルス・プロモーション / ソーシャルマーケティング / ポジティブ・メンタルヘルス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,メンタルヘルス問題について,対症療法的対策とは別に,ポジティブ・メンタルヘルスを強化することで,積極的な予防措置の方法を確立する.本研究の目的は,ポジティブ・メンタルヘルスを強化するために推奨できる行動(Act,Belong,Challenge)を選別し,ソーシャル・マーケティングの方略を用いて普及啓発活動を行い,それらの効果をメンタルヘルス問題の予防の観点で検証することである. 平成 26年度には,ソーシャルマーケティングを用いた戦略的普及策を検討し,全体モデルを構築した上で,地域および職域においてパイロットスタディを行い,その効果を検証した.本研究においては,地域住民として,埼玉県比企郡ときがわ町の住民に協力を依頼し,一方,職域従業員として,全国健康保険協会の支部に加盟する中小企業従業員に依頼した.その方法としては,地域においては,「こころのABC活動」リーフレットおよび動画を用いて,健診や様々な行事を通じて普及活動を行い,一方,職域では,毎月発行する新聞に「こころのABC活動」の内容について記事を掲載し,普及啓発をはかった.評価は,平成26年度に開発した行動評価表を基に,メンタルヘルスとの因果関係を調べ,行動の実施度が高いほど,メンタルヘルスの改善が図られていることを示した. 本研究では,「physical health promotion(たとえば,禁煙,運動実施,食事バランスなどの普及啓発活動)」と同様に,メンタルヘルスをよい状態に保つ行動を推奨する「mental health promotion」を目指している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成26年度には,地域および職域を各1カ所ずつ選定し,実際の介入研究を行い,それぞれ異なる評価を行うことができた.メンタルヘルスへの介入は,従来,メンタルヘルス疾患・問題を想定していた.しかし,本研究で扱うメンタルヘルス・プロモーション「こころのABC活動」は,ポジティブ・メンタルヘルスの構築を目的としており,そのために住民や従業員の受け入れもよかった.本研究では,対症療法的な介入とは異なる視点でメンタルヘルス問題の予防に迫りたい.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,対象となる住民や職域従業員の数を増やしていくことはもちろんのこと,メンタルヘルス・プロモーションとしての「こころのABC活動」を,ソーシャルマーケティングを用いた普及啓発の手法を検討したい.また,同時に,評価を行い,ポジティブ・メンタルヘルスがメンタルヘルス問題の予防に関係していることを確認したい.
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Remarks |
1~3はすべて動画(youtube)
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