2015 Fiscal Year Annual Research Report
心身の健康増進を目的とした笑い測定システムの開発とロボットによる笑わせ刺激
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26560387
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
橋本 健二 早稲田大学, 高等研究所, 助教 (10449340)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 笑い / ロボティクス / 心身の健康 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,ロボットによる人間の笑い誘発とその反応である笑いの定量的な測定システムを開発することを目的としている.前年度までに笑い方略の1つである腕部の「誇張」表現による笑い誘発を実現してきた.しかし,その動作はオフラインで生成したものであり,笑い方略を利用した動作生成ができていなかった.最終年度である平成27年度は,笑い方略を利用した動作生成の実現を目指し,多くのお笑い芸人が重要視しているキャラクタ表現に注目した.気質のモデルに基づいた動作生成アルゴリズムをロボットに実装し,ロボットがキャラクタ表現を利用して動作を変更し,人間の笑いを誘発することを目的とする.
キャラクタ表現によるロボットの面白い行動生成アルゴリズムの構築に関しては,人間の性格を分類する心理学の知見に基づきロボットが演じるべきキャラを設定し,これに対応した動作の特徴を役者の演技の解析から取得した.具体的には,プロの役者に同じ目的の行動を4つのキャラ(神経質,悲観的,穏やか,社交的)により演じてもらい,正面と側面からビデオで撮影した.動作傾向を解析した結果,2つのことが分かった.1点目は,姿勢,動作の速さ・大きさが特に気質に応じて変化すること,2点目は表情,声が特に感情に応じて変化することである.したがって,ロボットがキャラを演じるためには,設定された気質に応じた姿勢,動作の速さ・大きさのパラメータを使用し,刺激に対して感受個性により感情を変化させ,表情,声を変化させて全身を動作させることが必要であることが分かった.
以上の結果をもとに,気質のモデルに基づいた動作生成アルゴリズムをロボットに実装し,ロボットに「キャラ」の演じわけを実現させ,演じるキャラと状況の対応によって被験者が感じる面白さが変化することを明らかとした.
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Research Products
(3 results)