2016 Fiscal Year Annual Research Report
An Experimental Study of a New Food Hygiene Intervention Programme in Improving Microbiological Food Safety and Feeding Practices of Complementary Foods among Caregivers in Rural South India
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26560388
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Research Institution | The Ohara Memorial Institute for Science of Labour |
Principal Investigator |
長須 美和子 公益財団法人大原記念労働科学研究所, 研究部, 協力研究員 (60425444)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | インド / 母子保健 / 食品衛生 / 公衆衛生 / 国際保健 / 下痢 / 参加型 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、これまでの研究で、20年にわたり途上国で実践されている参加型対策指向型トレーニングという「改善」を促すアプローチがワークショップの参加者の知識レベルの向上と行動変容を促し、参加者によって「改善」が実施されるという良好な結果を得た。 そこで、そのアプローチを母子保健に応用するため、詳細な文献レビューと調査地でのフォーマティブ調査を実施した。特に、途上国の乳幼児の下痢の罹患率と食品衛生に関連する分野については、途上国の現状に合致した改善策を提案できるよう先行文献を精査し、非常に興味深い知見を得た。その結果をもとに、研究計画の修正を行い、食品サンプルの解析方法や具体的な研究方法について確認することができた。 調査地である南インドの村の家庭、小学校、保健所をNGOスタッフとともに訪問し、乳児がいる母親、教師、看護師にインタビューし、フォーマティブ調査を実施した。それらすべての結果をもとに、NGOスタッフと専門家によるミーティングを行い、衛生状態の改善を促すべく現地の良好事例や伝統的な知恵をもとにした教材を開発し、教育プログラムの主な枠組みは完成した。 パイロット調査では、村の母親が子どもに与えている家庭で調理された食物と、店で購入し食べさせているとされる食物の細菌検査を実施したところ、数種類の食品から大腸菌が検出された。すべての大腸菌が下痢の原因になるとは言えないが、身体の発達が未熟な乳幼児が、日常的に大腸菌に汚染された食物を食べることは子どもの発育を阻害し、死亡する原因になりうる。また、インドの伝統的な食物は、室温で数時間保管しても大腸菌は検出されなかった。 今後の課題として、食物の衛生状態に関する基礎データを集め、現地のニーズに即した教育プログラムを実施し、その効果を科学的に測定する必要がある。
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