2014 Fiscal Year Research-status Report
冬眠特異的蛋白質類似ヒトCTRP3は、生体恒常性維持能の指標になり得るか?
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26560389
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
冨樫 整 山形大学, 保健管理センター, 教授 (60192209)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 応用健康科学 / 生体恒常性 / バイオマーカー / CTRP3 / 生活習慣病 |
Outline of Annual Research Achievements |
哺乳類の冬眠を誘発する因子として、シマリスよりHibernation-specific protein (HP)が発見された。HP は、低温下での代謝恒常性を維持し長寿をもたらすと考えられている。申請者が行ったアミノ酸ホモロジー検索では、冬眠特異的蛋白質HP と相同性を有するヒト蛋白としてC1q/TNF-related protein (CTRP)ファミリーが抽出された。中でもCTRP3 は、全身いたるところに存在し、代謝改善機能と抗炎症作用を併せ持つことから、健康科学における役割の解明が必要である。平成26年度に以下の点を明らかにした。 1. 血清中CTRP3のELISA法による測定系を確立した。 2. 血清中CTRP3は、年齢、性差における有意な差を示さなかった。また、個人における日内変動も軽微であった。 3. 血清中CTRP3は、BMI、拡張期血圧、HOMA-IRと負の相関性を示した。また脂肪肝群は非脂肪肝群に比べ、血清中CTRP3の有意な低値を示した。 結論:血清中CTRP3は、肥満、高血圧、脂肪肝の存在により低下し、代謝恒常性維持能を反映すると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は、血清中CTRP3測定系の確立に力を入れた。ELISA法による測定系を確立した。研究は、研究計画に則して順調に遂行されている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度については、症例数を増やし血清中CTRP3が代謝恒常性維持能としてのバイオマーカーになり得ることを明らかにしたい。生活習慣病患者も解析対象に組み入れ、仮説を確固たるものにしたい。
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Causes of Carryover |
プロジェクトの進捗状況は良好である。当初予定していた、ボランティアを募る際の経費が不要になり、CTRP3測定はキットを活用することにより測定系確立に関わる経費を減らすことが出来た。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画書に従い、アディポサイトカインや酸化ストレスマーカーを測定するキットを購入に充てる。また、測定対象者を増員する予定であり、その経費に充てる。
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Research Products
(6 results)