2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26560400
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
三浦 進司 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (10342932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守田 昭仁 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (40239653)
池田 雅彦 常葉大学, 環境学部, 教授 (20232176)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 健康・スポーツ科学 / 応用健康科学 / 生活習慣病 / 動脈硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
運動には炎症抑制作用があることが知られており、その作用が慢性炎症疾患である動脈硬化を抑制することが想定されるが、その証明は未だ不十分である。最近発見されたマイオカインには炎症反応に関するものがあり、運動によって産生量が変化するマイオカインが動脈硬化進展に影響する可能性が考えられる。本研究では身体活動による骨格筋の筋線維特性変化が動脈硬化発症を抑制しているという、これまでにない新しい概念を検証する。具体的には、申請者らが独自に開発した骨格筋にPGC-1αを過剰発現させた「筋PGC-1αマウス」を用いるが、このマウスは持久力トレーニングによる遅筋特性獲得モデルであり、動脈硬化易発症モデルと交配させることにより、身体活動状態による骨格筋の筋線維特性変化が動脈硬化進展に影響を及ぼすのかを、in vivoで検証するのに最適なモデルができる。本年度は、動脈硬化易発症モデルであるApoE欠損マウスと筋PGC-1αマウスの交配を進め、ApoE(-/-)PGC-1αトランスジェニックマウスの作出に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ApoE(-/-)PGC-1αトランスジェニックマウスを研究分担者の研究施設にて作出するため、凍結授精卵から筋PGC-1αを再度作出する必要が生じた。凍結授精卵からの個体復帰は熟練した共同研究機関に依頼したものの、今回は原因不明の出生数低下に見舞われ、十分な数の筋PGC-1αマウスを一定期間に得る事ができなかった。しかし。筋PGC-1αマウスが得られてからは、ApoE欠損マウスとの交配が順調に進み、年度内にApoE(-/-)PGC-1αトランスジェニックマウスを得る事ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ApoE(-/-)PGC-1αトランスジェニックマウスを一定期間飼育し、血中脂質パラメータと動脈硬化の進展度合いを評価していく。動脈硬化進展が抑制された場合には、末梢白血球における炎症関連因子発現量変化などを利用した「低侵襲的な動脈硬化診断方法」を検索する。また、PGC-1αを過剰発現した筋管細胞の培養上清を採取し、その上清を用いて血管内皮細胞あるいは単球を一定期間培養し、これらの細胞における炎症性因子発現量を調べる。これにより骨格筋細胞から分泌される物質が、動脈硬化に関連する細胞の炎症反応に関与するか否かを明らかにする。
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Causes of Carryover |
遺伝子組換えマウスの個体復帰に時間がかかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画していたモデル動物の作成が終了したので、順次計画通りの解析を実施していく。
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Research Products
(2 results)