2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of antibacterial agents of periodontal pathogens : a basic study
Project/Area Number |
26560405
|
Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
平岡 行博 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (20097512)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中道 裕子 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (20350829)
山下 照仁 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 准教授 (90302893)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | SOD / 金属酵素 / 部位特異的変異 / 歯周病原菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病は生活習慣病を惹起し、また悪化させる原因と認識されてきた。そこで、歯周病原菌の一種、Porphyromonas gingivalis のサバイバルに必須の酵素であるスーパーオキシドジスムターゼ( SOD )の阻害剤の開発を目指して構造の特徴を明らかにすることを目的とした。そこで、Pg SODの特徴的な残基と推測されるN末端から155番目にあるGly(Gly-155)、Leu-72およびLeu-76に対し、変異を作製して酵素の化学的性質を検討した。 Leu 72Trp変異体、および、これにLeu 76Phe変異を加えた二残基変異体を作製した。一残基変異および二残基変異体のいずれも、電気泳動的に分子の構造が野生型酵素と同等であると考えられた。酵素活性値は、野生型と大きな変化は無かった。 Gly-155をSer、Valにそれぞれ単独で部位特異的変異させた変異体を作製した。酵素の金属再構成により比活性を調べたところ、いずれの変異酵素もFe異存活性が僅かに上昇し、Mn依存活性の減少が顕著であった。また、比活性で2点の特徴を指摘できた。まず、Fe再構成酵素の場合、Ser変異酵素で殆ど変化がなく、Val変異酵素で1.4倍となった。次いでMn再構成酵素の場合、Ser変異酵素で約1/3に、Val変異酵素で約2/3となった。この結果、金属依存活性の比率(Fe/Mn)は、野生型で0.7倍、SerおよびVal変異酵素でそれぞれ1.9倍と1.4倍であった。変異酵素の吸収スペクトルでは、2種変異酵素の何れもFeに依存する環境に近付いた事を示唆した。 結論 1.Leu72とLeu 76がPg SODの金属寛容性を支持する役割を持つアミノ酸残基の候補になり得る。2.Gly155の意義は、隣接する2残基Trpの自由度を保証し、金属選択を寛容型にしていると考えられた。
|