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2014 Fiscal Year Research-status Report

肥満児はなぜアレルギーになりやすいのか?-高糖質食と脂肪組織との関連について-

Research Project

Project/Area Number 26560408
Research InstitutionNational Defense Medical College

Principal Investigator

服部 秀美  防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 防衛医学研究センター, 助教 (80508549)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2016-03-31
Keywordsグルコース / エオタキシン / 脂肪組織由来間質細胞 / アレルギー / 線維芽細胞増殖因子
Outline of Annual Research Achievements

ケモカインの一つであるエオタキシンは、アレルギー反応で組織障害を起こす好酸球を遊走させる作用をもつ。エオタキシンは、線維芽細胞や上皮細胞などからinterleukin (IL)-4、IL-9、IL-13などの刺激によって分泌されると知られており、このシグナル伝達経路としてJAK-STAT経路やMAPK経路などが関与していると報告されている。申請者は、脂肪組織に含まれる間質細胞(adipose tissue-derived stromal cells: ASCs)からエオタキシンが高レベルで分泌されることを見出しており、ASCsからの高濃度のエオタキシンが肥満とアレルギー発現と密接な関係があるのではないかと推測している。平成26年度は、ASCsを使用してfibroblast growth factor (FGF)がエオタキシン発現に関与することをin vitroにおいて見出した。ASCsにFGFを添加すると濃度依存的及び経時的にエオタキシンの発現が上昇したが、FGF receptorの inhibitorによってこのエオタキシンの発現は抑制された。シグナル伝達経路を同定するためにSTAT3、STAT6、ERK、p38 MAPK、JNKのinhibitorを使用したところ、ERK inhibitorによって著しくエオタキシンの発現が抑制された。ASCsにおけるFGFによるエオタキシンの発現は、FGF-ERK シグナル経路を介して発現され、JAK-STAT経路は関与していないことが明らかとなった。また、FGFによるIL-4、IL-9及びIL-13の発現は見られなかったことから、ASCsはこれまでに報告されているIL-4、IL-9及びIL13の刺激だけでなくFGFなどの増殖因子によってもエオタキシンの発現が誘導されることが明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

申請者は、肥満児にアレルギーが多い一つの理由として糖質の過剰摂取がエネルギーの蓄積という肥満を導き、その蓄積された脂肪組織が糖質の最終分解産物であるグルコースによってアレルギーが誘発されているのではないかと考えている。そこで平成26年度はグルコースによるASCsのエオタキシ発現の促進メカニズムをin vitroで解明する予定であった。その発現にはFGFが関与していると推測していたが、グルコースとFGFは連動して働いておらず、それぞれ独立した系でエオタキシンを発現させるという仮説に反した結果となった。そのため、当初の計画が継続の状態となっている。

Strategy for Future Research Activity

グルコースから誘発されるエオタキシン発現に関与するシグナル分子と細胞内シグナル伝達経路の同定を引き続き行う計画である。これから得られた結果を踏まえ、in vivoで再現されるか否を確認するために、肥満マウスを使用した動物実験で検討を行う。高糖質食餌摂取と普通の食餌摂取におけるアレルギー物質発現の比較と感作試験による好酸球の性質の検討を行う計画である。

Causes of Carryover

平成26年度はグルコースによるASCsのエオタキシ発現の促進メカニズムをin vitroで解明する予定であった。その発現にはFGFが関与していると推測していたが、グルコースとFGFは連動しておらず、それぞれ独立した系でエオタキシンを発現させるという仮説に反した結果となった。そのため、実験計画の見直しを行ったからである。

Expenditure Plan for Carryover Budget

研究の遅れを取り戻すために技術補佐員の雇用経費を計上する。さらに培養関連消耗品、生化学試薬、実験動物、抗体等の購入や、得られた成果発表するために学会参加費、旅費、英語論文校正代、投稿料などを計上する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2015 2014

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Altered protein secretions during interactions between adipose tissue- or bone marrow-derived stromal cells and inflammatory cells.2015

    • Author(s)
      Hattori H, Ishihara M
    • Journal Title

      Stem Cell Research & Therapy

      Volume: 6 Pages: 70

    • DOI

      10.1186/s13287-015-0052-y

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 線維芽細胞増殖因子によるエオタキシンの発現2014

    • Author(s)
      服部秀美、石原雅之
    • Organizer
      第87回日本生化学会大会
    • Place of Presentation
      京都
    • Year and Date
      2014-10-15 – 2014-10-18

URL: 

Published: 2016-05-27  

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