2014 Fiscal Year Research-status Report
メカノセンサー分子p130Casを介する糖代謝維持機構の解析
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26560410
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Research Institution | 社会医療法人社団蛍水会名戸ヶ谷病院(ロコモティブシンドローム研究所メカノメディス |
Principal Investigator |
澤田 泰宏 社会医療法人社団蛍水会名戸ヶ谷病院(ロコモティブシンドローム研究所メカノメディス, その他部局等, その他 (50313135)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | メカノバイオロジー / 糖代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)メカノセンサー分子の組織・細胞特異的遺伝子改変マウスの、糖脂質代謝と糖脂質代謝を制御する器官・組織、具体的には骨格筋・脂肪組織・肝臓における表現型を解析する。(2)メカノセンサー遺伝子改変マウスの、耐糖能、運動負荷及びインスリンに対する感受性を検討する。(3)メカノセンサー遺伝子改変マウスの筋組織のin vitroでの糖取り込み・インスリン感受性を解析する。(4)メカノセンサー遺伝子改変マウスの筋組織におけるインスリンシグナル・グリコーゲン合成シグナル、及び、グリコーゲン量に対する運動負荷の効果とインスリン感受性を解析する。 1年目である平成26年度は骨格筋、血管内皮、骨細胞のそれぞれで特異的にメカノセンサー分子Casの発現を欠失する遺伝子マウスを作製した。血管内皮細胞特異的にCasを欠損するマウス(Cas cKOマウス)を用いて、耐糖能・インスリン抵抗性を評価した。これらのCas cKOマウスに糖代謝異常を呈するものがあることが分かった。 そこで、骨格筋、血管内皮、骨細胞におけるCasの発現及びリン酸化を免疫染色にて検討した。研究代表者のグループでは、Casの免疫染色に関してはこれまで培養細胞でのみ行ってきたので、マウス組織におけるCasの染色法の最適化を行った。その結果、骨格筋、血管内皮、骨細胞におけるCasの発現とリン酸化はそれらの組織・器官に加わるメカニカルストレスと関連した傾向・特徴があることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
骨格筋、血管内皮、骨細胞におけるCas cKOマウスの作製を完了し、それらの耐糖能異常に関する一通りの評価を完了した。 マウスの骨格筋、血管、骨におけるCasの発現とリン酸化を定量的に評価する手法を最適化した。 骨細胞におけるCas cKOマウスの表現型の解析は、その一部を論文として投稿できる段階となっている。 以上より現在まで概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
1)マウス内皮細胞・血管組織を用いたメカニカルストレス実験 マウスから内皮細胞あるいは血管組織を単離・培養し、伸展・シェアストレスなどのメカニカルストレスを加えて、Cas機能の変化を観察する。またインスリンシグナルに関わる分子の発現・活性を、由来するマウス間(血管内皮特異的Cas KOマウスと対照マウス)で比較する。 2) Cas機能修飾分子のスクリーニングの条件決め・最適化 培養内皮細胞を用いて、メカニカルストレス、サイトカインなどの刺激を加え、Cas機能の変化を検出するスクリーニングに適した条件を検討し最適化する。Casリン酸化によるインスリンシグナル抑制が想定されるが、Casのリン酸化抑制刺激はCasの核内移行を促進するので、現時点では、Casの核局在をスクリーニングのread-outとする計画である。 3) Cas機能を修飾する分子の一次スクリーニング 上項で決めた条件のもと、東京大学が保有しているゲノムワイド低分子二本鎖RNAと化学化合物のライブラリーを用いて、Cas機能修飾分子の1次スクリーニングを行う。解析には、高い客観性とハイスループット性を兼ね備えた自動イメージアナライザーを用いる。
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Research Products
(6 results)