2015 Fiscal Year Annual Research Report
唾液中のホルモン分泌を用いた乳幼児のための睡眠指標の開発
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26560414
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
大平 雅子 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (40616190)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 睡眠 / 発育・発達 / 唾液バイオマーカー / 活動量 / 心拍数 / 幼児 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は昨年度実施した調査データの解析および分析を実施した。 その結果、睡眠中の心拍数は日中の活動量に関係なく、睡眠時間の経過に伴い徐々に減少した。しかし、日中の活動量が高い幼児では起床前に心拍数が増加する傾向が認められた。一方で、活動量が低い幼児では起床時刻が近づいても心拍数に大きな変動は認められなかった。さらに、被験者を日中の活動量の差で2群に分類すると、日中の活動量が高い群において起床前に心拍数が上昇する傾向が認められた。成人を対象にした研究において、覚醒時間の数分前に心拍数が予期的上昇を示した後、覚醒すると目覚めの気分が良いことが報告されている。したがって、幼児においては、日中の十分な活動量確保が起床前の心拍数上昇を惹起しているのかもしれない。 唾液バイオマーカーにおいては、夜寝後のコルチゾール濃度が起床直後から起床30分後にかけて増加する傾向がみられた。一方で、起床時DHEA反応の濃度には有意な差は認められなかった。しかしながら、日中の活動量が高い幼児では、夜寝後、昼寝後どちらにおいても、活動量の低い幼児よりも起床時DHEA反応の濃度が高い値を示した。起床時のDHEA濃度が高いと睡眠の効率が良いという先行研究の結果をふまえると、日中の活動量が高い幼児では睡眠効率が高くなる可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)