2017 Fiscal Year Annual Research Report
A Comprehensive Study of the Risk-Benefit Balance of Play in Early Childhood Care and Education
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26560416
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
杉村 伸一郎 広島大学, 教育学研究科, 教授 (40235891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉盛 美穂子 福山市立大学, 教育学部, 准教授 (90435355)
平田 香奈子 広島修道大学, 人文学部, 准教授 (00435356)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 遊び / 怪我 / 養育態度 / 幼児 / 発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
子どもの心身の発達において,リスクを伴う遊びは必要であると考えられている。しかし,リスクを伴う遊びが子どもの心身の発達のどのような側面にどの程度の影響を与えるのかに関しては,検討されてこなかった。そこで本研究では,保護者のかかわり方の影響が特に大きいと考えられる幼児期において,昨年度は尋ねなかったスリルのある遊びに対する親の価値観も含めて,両者の関係を調べることを目的とした。 3歳から6歳の幼児を持つ保護者1,000名を対象に,インターネット調査を実施した。スリルのある遊びに対する親の価値観とかかわり方の測定には,上山他(2015)が作成した保護者用のリスクマネジメント評価尺度から,価値と管理に関する2つの下位尺度を用いた。幼児の発達の測定には,身体能力や自発性など11の下位尺度,102項目から成る『東アジアこども発達スケール』(青柳他, 2013)を用いた。 価値および管理尺度の得点と11の発達の下位尺度の得点との月齢を統制した偏相関を算出した。その結果,保護者のスリルのある遊びに対する価値や関わり方は,特に身体能力と関連があり,怪我をさせたくない意識や,遊びを制限することで身体能力が抑制されることが示された。また,保護者が子どもに遊びを主体的に取り組ませる場合,子どもの発達の諸側面(身体能力,手先の器用さ,状況判断等)を促進する一方,保護者が遊びを制限する場合,子どもの発達のいくつかの側面(身体能力,ことば理解,状況判断等)が抑制される可能性があることが明らかになった。
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