2014 Fiscal Year Research-status Report
小児専門領域外の医療環境で子どもの権利を保護するための支援方略の開発
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26560422
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
中村 郷子 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 助教 (10597694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 由美子 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (00460329)
袖山 悦子 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 准教授 (00567422)
目黒 優子 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 准教授 (40509486)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 子どもの権利条約 / 子ども病棟 / 混合病棟 |
Outline of Annual Research Achievements |
医療現場において保障されるべき子どもの権利への理解が深まる一方で、小児医療の不採算、小児科医師の減少、超少子化社会などの社会背景から小児科病棟の閉鎖や縮小は相次ぎ、成人との混合病棟へ子どもが入院を余儀なくされている現状がある。よって、子どもの権利の保護は、小児科を受診する子どもに限定されている可能性が高いこと、超少子化にある我が国において、将来的に子どもの病院などの新規開設は容易ではないと考えられ、本研究の目的は、成人との混合病棟に入院した場合でも、子どもが権利を行使できる環境を整えることを目的としている。 本年度の取り組みは、研究基盤確立期として、文献レビューの実施と分析モデルの作成、及びそのモデルに基づいた調査に取り組むことであった。
1.先行研究による国内外の動向の調査:国内外の医療における子どもの権利に対する支援の取り組みについて体系的に文献レビューを行った。2014年11月までの約20年間分の小児看護及び、医療全体において蓄積されてきた子どもの権利に関する研究の動向を文献検討により体系的に明らかにし、今後取り組むべき課題を検討した。結果、日本においては、45条ある子どもの権利条約のうち、17条のみに限局した研究が報告されていたことが明らかとなり、その結果を平成27年度学会発表を行う。
2.分析モデルの作成:子どもの権利条約は世界の子どもを対象としているため、文化の違い、宗教的な背景の違いなどの影響を考慮する必要があるため、本研究の求める国内における子どもの権利を、研究者および関係者間での日本国内に限定した現状把握を行い、時間をかけて分析モデルの基盤を作成検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、分析モデルに基づいた調査表の作成までを目標としていたが、「子どもの権利条約」の「権利」について、子どもから大人までが持つ人間の基本的な「権利」と、医療における子どもの権利と成人との違いを再確認する作業に時間を要した。看護文献の中にも「権利」という言葉は散見するが、正しく定義されている先行研究が少ないことから、分析モデルを作成する前に、定義づけを入念に行ったたため、分析モデルの作成に若干の遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.分析モデルを作成し、プレテストを実施し、その後対象施設へ質問紙調査を行う【平成27年度】 2.上記の結果から実態を明らかにし、子どもの権利アセスメントツールの作成を行う【平成28年度】
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