2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26560445
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上杉 志成 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 教授 (10402926)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 化学プローブ / ケミカルバイオロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、転写因子Hes1の振動を制御する小分子化合物を創製し、細胞分化を操作することである。抑制型転写因子Hes1の発現は幹細胞で振動しており、その振動が未分化状態と幹細胞の不均一性に重要である。その発現振動の原因は、Hes1自身がHes1の転写を抑制していることにある。Hes1の転写抑制機能を阻害する化合物があれば、Hes1の振動発現を外部から自在に止めることができる。また、Hes1は癌に関わるnotchシグナルの最下流であり、癌治療に新しい考え方を提供するとも期待できる。これまでの研究により、D8Cと名づけたプロトタイプ化合物を見つけ出し、低濃度(nMオーダー)で効果のある誘導体JI051を見つけた。27年度は、JI051のメカニズム解析を行った。その結果、以下の成果を得た。 ● JI051はHes1のコリプレッサーTLE1の制御因子であるBit1をミトコンドリアから放出させ、Hes1とTLE1を核外へ追い出すことが分かった。 ● JI051の化学プローブを利用して、JI051のメカニズムを解析した。その結果、ミトコンドリアタンパク質であるProhibitin 2が標的であることが示唆された。 ● siRNAによりProhibitin 2をノックダウンすると、JI051によるHes1の核外追い出しが弱くなった。Prohibitin 2がJI051の標的である可能性が高い。 ●JI051はProhibitin 2に結合してミトコンドリアの状態を変調させ、Hes1を核外へ追い出すことで、Hes1を阻害していると考えられる。
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Research Products
(23 results)
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[Journal Article] A potent and site-selective agonist of TRPA1.2015
Author(s)
Takaya, J., Mio, K., Shiraishi, T., Kurokawa, T., Otsuka, S., Mori, Y., Uesugi, M.
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Journal Title
J. Am. Chem. Soc.
Volume: 137
Pages: 15859-15864
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] くすりの形2015
Author(s)
上杉 志成
Organizer
京都大学化学研究所 第18回高校生のための化学
Place of Presentation
京都大学宇治キャンパス(京都府宇治市)
Year and Date
2015-07-25
Invited
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