2015 Fiscal Year Annual Research Report
機能性ネオ糖脂質クラスターを利用した神経幹細胞の幹細胞性制御
Project/Area Number |
26560451
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
加藤 晃一 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (20211849)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ネオ糖脂質 / 糖鎖クラスター / 神経幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞表面を覆う糖鎖は、細胞間のコミュニケーションをはじめ、様々な生命現象において不可欠な存在である。本研究では、細胞膜上の糖鎖クラスターをモデルとし、人工設計に基づく機能性糖脂質(ネオ糖脂質)クラスターの創生に取り組んできた。平成27年度は、神経細胞の分化に関わる糖鎖構造を応用したネオ糖脂質クラスターについて、その生理活性評価を行った。Lewis X糖鎖 [Galβ1-4(Fucα1-3)GlcNAc-]は、神経細胞において分化前の細胞に特異的に発現している。機能発現のためのグライコトープとしてLewis X糖鎖を含むネオ糖脂質クラスターと細胞との相互作用を評価した結果、ネオ糖脂質が神経幹細胞に対して特異的な細胞死を誘導することを見出した。また、合成したネオ糖脂質を応用した糖鎖アフィニティカラムを作成し、Lewis X糖鎖を特異的に認識するタンパク質を調査した。 これに加え、人工超分子とのハイブリッドによって、神経細胞膜上の糖鎖構造を均一かつ簡便にクラスター化することに成功した。得られた超分子糖鎖クラスターを用いて、膜結合性タンパク質であるアミロイドβやαシヌクレインとのNMR相互作用解析を実施することができた。さらに、糖鎖-糖鎖相互作用を介して糖鎖クラスターが高次集積化することを見出した。
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