2015 Fiscal Year Research-status Report
東南アジア・ネットワーク型海民社会の形成過程:民族考古学を軸とする複合的研究
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26570009
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
小野 林太郎 東海大学, 海洋学部, 准教授 (40462204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長津 一史 東洋大学, 社会学部, 准教授 (20324676)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 東南アジアの海民 / 民族考古学 / 海域ネットワーク / 地域研究 / サマ・バジャウ / スラウェシ / マルク諸島 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度においては、前年度にインドネシア・北マルク州カヨア島に位置する新石器時代遺跡の発掘調査で出土した遺物の整理・分析を進めることができた。炭素年代測定も15点の人骨、炭化物、貝類サンプルの年代値を得ることができ、下層の新石器時代層が先行研究により数点の測定値で指摘されていた紀元前1400年までは確実に遡ることを確認できた。一方、下層の上限年代は紀元前900年頃となることが判明したほか、上限の初期金属器時代期の年代は、紀元前200年~紀元後80年頃に形成されたことが確認できた。またより古い遺跡の発掘を目的とした、スラウェシ中部東岸域での遺跡踏査を実施し、完新世中期以前に遡り、人類による海洋資源利用や海洋適応の痕跡を残す可能性の高い遺跡を発見することができた。これらの遺跡は2016年度に発掘する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年度は、長期的フィールド調査はできなかったものの、これまでのデータ整理と蓄積を共著本としてまとめ、東南アジアの海民に関する総合的な検討を進められたことは成果の一つと認識できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度は最終年度でもあるため、これまでの成果をまとめ刊行することのほか、代表者、分担者ともに長期的なフィールド調査を計画しており、新たなデータの収集に専念し、本研究をさらに飛躍させる計画である。
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Causes of Carryover |
2015年度は他の業務の関係上、当初予定していたフィールド調査を実施することがきなかったため、次年度使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度は、長期の研究調査期間を確保できた。このため、フィールド調査や研究発表を行い、研究目的を達成する予定である。
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Research Products
(1 results)