2016 Fiscal Year Annual Research Report
Areal Study of Maritime Network Societies and People in Island Southeast Asia: Ethno-Archaeological Approach
Project/Area Number |
26570009
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
小野 林太郎 東海大学, 海洋学部, 准教授 (40462204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長津 一史 東洋大学, 社会学部, 准教授 (20324676)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 海民研究 / 東南アジア海域研究 / ネットワーク論 / インドネシア / スラウェシ / 北マルク諸島 / サマ・バジャウ / 民族考古学 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず最終年度に実施した研究の成果としては、研究代表の小野がインドネシアにおいて長期の民族考古学的なフィールド調査および現地での資料分析を実施できたことがあげられる。またインドネシア滞在中には、成果の一部をバリで開催された国際シンポジウムにおいて発表した。これは研究機関全体を通じて得られてきた成果とも重なるが、東南アジア海域におけるネットワーク型海民社会が、約2000年前頃から開始される金属器時代以降に確立されていった歴史的プロセスを、これまでの民族考古学的研究によるデータと共に指摘できた。また新たな海民に関わる民族考古学的データとして、北スラウェシ沿岸に居住するサマ・バジャウ系集団に関わる情報の収集、北マルク諸島のカヨア島に居住するサマ・バジャウ系集団の出自や現状に関わる情報の収集と整理も行った。カヨア島では、過去に数回の考古学調査が行われており、これらの調査で約3400年前に遡る新石器時代から1800年前頃の金属器時代に至るまで、人類活動の痕跡が確認されている。本科研プロジェクトでは、これらの考古学的痕跡が先史時代における海民的集団によるものかについても、民族考古学的なアプローチより検討を加えた。一方、分担研究者の長津もインドネシアおよび日本国内において、積極的にサマを中心とする東南アジアの海民に関する地域情報学的データの収集に努めた。両者の成果と進捗状況については、2016年7月に行った研究打ち合わせで統合化を図り、これまでの成果を含めた新たな海民論を『海民の移動誌』(仮題)として一般向けの学術書の形で刊行する計画も進めた。この成果本は、本科研終了1年内となる平成29年度内には刊行する予定である。
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Research Products
(6 results)