2014 Fiscal Year Research-status Report
水力発電等再生可能エネルギーの内部収益率に関する研究
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26570010
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
藤倉 良 法政大学, 人間環境学部, 教授 (10274482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤倉 まなみ 桜美林大学, 総合科学系, 教授 (30458955)
豊田 知世 島根県立大学, 総合政策学部, 講師 (30550016)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 緩和 / 限界削減費用 / 円借款 / 石炭火力発電所 / 再生可能エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
円借款を供与されて10か国に建設された20か所の石炭火力発電所の発電効率を、対象国における火力発電所の平均発電効率と比較し、発電コストと二酸化炭素削減効果を算出した。円借款による低金利融資と高効率石炭火力発電設備の導入が要因となって、投資コストや燃料費が節約され、発電単価は全体として発電単価はベースラインよりも約40%引き下げられたことを示した。さらに、高効率発電の結果、2010年の二酸化炭素発生量をベースラインと比較すると合計して547万トン削減されたと算出された。この削減効果を円借款の総費用に占める寄与率で按分すると、円借款による削減効果は343万トンと算出された。これは、同年の日本の総発生量の0.3%、火力発電所からの発生量の0.8%に相当する。 上記と同様にして、円借款によって10か国で建設された23か所の水力、地熱、風力発電所の円借款による二酸化炭素削減効果を算出した。まず、BaUのベースラインからこれら発電所を建設したことによって削減された二酸化炭素を算出し、円借款の供与金額と建設総コストの比を乗じることによって、円借款による二酸化炭素削減分を割り出した。次に日本の公共事業と円借款の金利差をこの削減効果に対する日本の貢献分として、これで二酸化炭素削減量を除することで、円借款による二酸化炭素の限界削減費用を算出した。2010年にはこれらの発電所では総計566万トンの二酸化炭素排出が削減され、限界削減費用は5.09から13.64ドルと算出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査対象となりうるデータがそろっている43か所の発電所を特定でき、それぞれの二酸化炭素削減量とそれに対する円借款の効果まで算定できた。
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Strategy for Future Research Activity |
石炭発電所の内部収益率に二酸化炭素削減効果を組み入れたFIRR及び住民移転コストを組み込んだ水力発電所のFIRRを算出する。
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Causes of Carryover |
平成26年度に支出を予定していた英文校閲の一部と専門知識提供に対する謝礼の実施が年度をまたいでしまったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度の残額は平成27年度に執行済み。平成27年度は当初計画に従って執行する予定。
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