2016 Fiscal Year Research-status Report
グローバル化の中の文化観光:クリエイティブ産業と観光の政策統合に関する国際比較
Project/Area Number |
26570024
|
Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
後藤 和子 摂南大学, 経済学部, 教授 (00302505)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | cultural tourism / 文化産業 / クリエイティブ産業 / 税制インセンティブ / 観光政策 / 地域ブランディング |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年6月21日~24日にスペイン・The University of Valladolid(バリャドリッド大学)で開催された第19回Association for cultural economics internationalで、論文発表を行うとともに、座長を務めた。論文名は、Tax incentives for creative industries:Do they stimulate creativity and diversity? である。 近年、映画等の視聴覚産業の振興により、地域イメージを高め地域をブランディングすることで観光等への波及(スピルオーバー)を図る政策が推進されている。そして、文化産業振興のために、補助金のみでなく税制インセンティブが多く使われている。本論文は、税制インセンティブ導入の根拠としてどのような理論と実証があるのか検証するとともに、税制の効果について検討を試みたものである。 2017年1月には、Springerから、共編著でTax incentives for the creative industries を刊行した。この本は、文化観光の資源となる文化産業への税制インセンティブに光を当てたもので、デジタル化とグローバル化を念頭に、従来の文化への税制インセンティブでは取り上げられていなかった領域を取り上げた。 2017年3月には、イタリア・カターニャ大学のIlde Rizzo教授(Association for cultural economics international 会長)を日本に招聘し、The economics of cultural tourism, Theory, Practice and Policyをテーマに、国際ワークショップを開催し、文化観光に関する研究の到達点や今後の課題について議論を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の初年度に大学を異動したため、研究環境の立ち上げにやや時間を要した。また、新しい大学での教育や授業の準備等に多くの時間を要したため、研究に割ける時間が少なくなり、研究の立ち上げが予定より遅くなったのが、遅れた理由である。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究期間を1年延長し、昨年度末には、文化観光に関する研究蓄積のある研究者を招へいして国際ワークショップを行う等、日本ではまだ未開拓の研究領域を開拓すべく国際的な連携も深めた。 今年度は、国内学会での発表等も行い、論文等も作成する予定である。
|
Causes of Carryover |
当該研究の開始と大学異動が重なったため、研究の立ち上げが遅れた。そのため、初年度の研究費に未使用額が生じ、それが順次繰り越されて最終年度にも未使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、未使用の研究費を、海外調査と国内調査、英語論文の校閲等に充てる予定である。
|
Research Products
(10 results)