2017 Fiscal Year Annual Research Report
Cultural tourism under globalization: international comparison on policy integration of creative industries and tourism
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26570024
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
後藤 和子 摂南大学, 経済学部, 教授 (00302505)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 文化観光 / 文化観光の需要面 / 文化観光の供給面 / クラフト産業 / 観光の経済分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、文化観光の経済分析に関して、文化経済学会<日本>で発表を行った。また、地域デザイン学会に招待され、文化観光をめぐる研究状況や課題、文化観光と地域デザインの関係について招待講演を行った。更に、2018年3月には、オランダ・エラスムス大学で開催されたクラフト(工芸)に関するセミナーで、発表を行った。これらの発表を基に論文も作成した。例えば、日本地域経済学会の学会誌『地域経済研究』には、招待論文「観光と地域経済―文化観光の経済分析を中心に―」を執筆した。クラフトに関する国際共著(英文)でも、「Part Ⅱ Policies for craft 2, Policies in Japan」を執筆したが、まだ刊行されていない。 文化観光に関する経済学的研究は、文化観光の需要面と供給面から行われる必要があるが、まだ、その質・量とも十分ではない。需要面では、文化目的で観光する人たちの滞在日数や消費額が他の観光目的の人たちより大きいことが分かっている。文化観光客の属性調査等も行われているが、日本では、まだこうした研究は行われていない。 供給面に関しても様々な研究がある。例えば、世界遺産登録に熱心な自治体も多いが、果たして世界遺産登録が観光客の増加につながるかどうかについても、国際的な研究では、両義的である。日本の場合にも、その効果は、地域によって違いがあるのではないだろうか。 また、観光客の増加が、劇場や美術館等の文化施設の財源を支えている実態も明らかになっている。日本では、観光に関する研究は、ホスピタリティーやホテル等のマネジメント、最近では、DMO等の地域マネジメント論が多く、経済学の視点からの研究は少ない。日本でも、国際文化経済学会等で行われている研究水準を踏まえて、日本の文化観光研究を行う必要がある。その点で、本研究は貢献できたのではないかと思う。
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