2014 Fiscal Year Research-status Report
ホスピタリティ概念の解明と宿泊産業への適用に関する研究
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26570028
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
徳江 順一郎 東洋大学, 国際地域学部, 准教授 (10610115)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ホスピタリティ / 不確実性 / サービス / シティホテル / リゾートホテル / ラグジュアリー |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度は、スリランカ、マレーシア、オマーン、アラブ首長国連邦など、海外を中心として調査を行った。いずれの国でも、いわゆるラグジュアリー系の宿泊施設をめぐって、ホスピタリティの実現のために各企業がどのように活動しているかを調査した。 特に、ホスピタリティにおいて不可欠であると思われる「不確実性」を含む対応を、各施設で強く意識していることが把握できたのは有益であった。 調査対象となった施設は、(1)Amanwella, (2)Amangalla, (3)Galle Face Hotel, (4)Berjaya Times Square Hotel, (5)Six Senses Zighy Bay, (6)Madinat Jumeirah Al Qasr, などである。この中で、(1)、(5)は純粋なリゾート型施設、(2)と(3)と(6)は都市内立地でリゾート色のある施設、(4)は純粋な都心部立地のシティホテルである。リゾート色が強くなるにつれて、食事を楽しむためのさまざまなオプションが用意されたり、ゆったりとした時間を過ごすためのさまざまな工夫がなされていたりしたことが印象的であった。一方で都市立地のシティホテルにおいては、多様な宿泊客のニーズに応えるために、コンシェルジュが対応の軸に据えられていた。 すなわち、都市立地のシティホテルの色が強くなればなるほど、特定の担当者または担当部署において不確実性の高い対応を行っているが、リゾート色が強くなればなるほど、施設全体や組織全体で不確実性対応を行っていることが見て取れた。 なお、本研究成果については、学術論文において研究成果としてまとめたのみならず、業界の専門誌での一年間にわたる連載においても報告し、業界での反響も大きかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外の事例についての調査については、むしろ予定以上の進展度合いであるが、国内での調査については若干の遅れが生じていることは否めない。また、先行研究について渉猟を行おうとしていたが、関連する研究がなかなか見つからなかったため、現状の把握が中心となった。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年度は国内の事例を中心に調査を行う予定である。また、フィールドを少し広げて先行研究についても渉猟していく。 それらの結果を踏まえて、最終的なホスピタリティ概念の解明を目指し、宿泊産業への適用可能性について考えていきたい。
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