2016 Fiscal Year Annual Research Report
Verbalization of Internal Representations: Rebuilding Semantics
Project/Area Number |
26580004
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
松阪 陽一 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (50244398)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 哲学 / 西洋哲学 / 言語哲学 / 言語学 / 意味論 / 語用論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は人称代名詞の意味論、並びに「行く」や「来る」のように視点に応じて使い分けが必要な動詞の意味論的分析を行う予定でった。しかし、前年度までの研究が必ずしもこうした語彙項目の具体的な意味論的分析を許すまでに成熟していないと判断して、引き続き内的表象が如何にしてその表象機能を獲得するのか、そして、その表象機能が言語表現のもつ表象、指示機能とどう関係するのかの解明に焦点を当て、研究を遂行した。特に、哲学的に問題とされ、多くの文献が存在する固有名の場合に焦点を絞り、内的表象と言語的指示の関係について、新たな知見を得ようと試みた。その成果は、Logic and Engineering of Natural Language Semantics 13 にて発表され、近くLENLS 13のPost-Proceedingsにて出版される予定である。また、この同じテーマを少し改良した内容が、2017年3月に米国オレゴン州のReed CollegeのPhilosophy Colloquium にて発表された。 上で言及された研究では、認知科学や機械学習理論で用いられる概念学習理論が用いられている。次第に明らかになってきたことは、言葉が意味を獲得するメカニズムと後期のウィトゲンシュタインが彼の有名な「規則に従うこと」に関して述べた様々な考察が無関係ではないということであった。こうした観点から、どのようにしてウィトゲンシュタインを理解できるのかは、「規則とパターン: 後期ウィトゲンシュタインの洞察」として、日本科学哲学会の2016年大会のシンポジウム提題として発表され、雑誌『科学哲学』に近く公刊されることになっている。
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