2017 Fiscal Year Annual Research Report
A Comparative Study of Mountain Religion in Japan and Korea: Views of Sacred Places, Ideas about Divinity, and Religious Practices
Project/Area Number |
26580011
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
須永 敬 九州産業大学, 国際文化学部, 准教授 (90390004)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 山岳宗教 / 修験道 / 英彦山 / 智異山 / 国際情報交換(大韓民国) |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、北部九州の英彦山・朝鮮半島南部の智異山という日本・韓国を代表する山岳宗教聖地の調査研究を通して、下記の3点を明らかにすることを目的としている。①現地調査に基づく日韓山岳聖地の構成要素の把握、②日韓山岳宗教に関する文献・図像資料調査に基づく山岳宗教の歴史的変遷の解明、③日韓山岳周辺地域の現地調査による山岳宗教の民俗的意義の解明。 上記の課題を達成するため、延長年度となる本年度は、主として智異山の山岳宗教の聖地観について、研究をより精緻にするための現地調査を実施するとともに、英彦山の山岳宗教の現地補充調査、および成果発表を実施した。 智異山の現地調査は6月の下旬に実施した。当初は智異山頂付近の窟を調査実施する予定であったが、現地研究者のコーディネートにより、儒者・僧・ムーダンといった智異山域で活動する諸宗教者への聞き取り調査が可能になったため、調査の力点をここに置くことにした。また、併せて智異山南麓と北麓の山岳聖地(理明山・寒山寺・青鶴洞・霊源山・上無住庵・仙人窟)の踏査を実施した。今回、儒・仏・巫の各宗教者へのまとまった聞き取り調査が実施できたことは、宗教者たちの聖地観・神観念・宗教的実践を理解する上でも、また本研究の精度を高めるうえでも、大変有益であった。 また、日本の英彦山においては、6月に英彦山神宮および英彦山区の人びとへの聞き取り調査を行うとともに、英彦山公民館におけるアウトリーチ活動(ボランティア講演とディスカッション)を実施し、本研究課題の成果を地域社会へと還元する取組みを行った。 また8月には研究成果の口頭発表・論文発表を実施するとともに、2月には国際学会に参加し、国内外の研究者と情報交換を行った。
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