2014 Fiscal Year Research-status Report
『歌唱音声・吹奏楽音の安定性』に対する体幹トレーニングの効果
Project/Area Number |
26580018
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Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
上 英俊 京都市立芸術大学, 美術学部, 准教授 (90433242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津崎 実 京都市立芸術大学, 音楽学部, 教授 (60155356)
空閑 佐智子 京都外国語大学, 外国語学部, 非常勤講師 (10573553)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 体幹トレーニング / 発声 / 安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
演奏家の多くが呼吸法の鍛錬を意識した身体トレーニングを実践しているが,その効果については検証されておらず,経験則的に継承されているレベルに過ぎない.経験則に基づく鍛錬では,その影響が明らかにされていないために,演奏家の努力と時間をムダにしてしまう可能性を含むのみならず,演奏パフォーマンスを低下させる危険性も拭い切れない.そこで本研究では,身体トレーニングが及ぼす「歌唱音声・吹奏楽音の安定性」への影響を明らかにすることで,演奏家にとって,より効果的なトレーニングの実施を目指す. 日常的に身体トレーニングを行っていない声楽演奏者を対象として,体幹筋トレーニング期間の前後に歌唱音声の安定性について調査した.トレーニングを実施した被験者は15名,対象群としてトレーニングを実施しない8名の被験者で測定を実施した.トレーニング群・対象群の被験者は同じ団体に所属し,週に1度同じレッスンを実施している. トレーニング期間は10週間とし,1回あたりのトレーニング時間は約1時間30分であった.トレーニング種目は,腹筋・背筋を中心としたフロントブリッジやサイドブリッジなど6種類の体幹トレーニングであり,それぞれ同一姿勢を一定時間(種目によって異なる)維持し続けた. 10週間のトレーニング期間前後で,呼吸筋力・努力性肺活量など,呼吸機能の測定を行った.さらに,マイクロフォンを用いて,異なる2音階における歌唱音声の安定性の測定も行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は15名のトレーニング群と10名の対象群での測定を実施した.調査条件を満たすだけの測定は行えていないが,概ね予定通りである. 本研究では,日常的に筋力トレーニングを実施していない者を対象として調査を行う必要がある.また,一定の演奏レベルに達する被験者のみを対象とするため,被験者の確保が非常に困難である.したがって,調査期間を3年間としている.
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Strategy for Future Research Activity |
研究費分配時期もあり,昨年度の研究開始が6月以後となったため,学生を対象とした調査を行えなかった. 今年度は,大学での授業受講者も対象として測定を実施する予定である.
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Causes of Carryover |
年度末に購入した物品に,割引が生じたため500円の繰越金が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の予定予算と合わせて,研究に必要な物品を購入する予定である.
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