2016 Fiscal Year Research-status Report
国内オーケストラの芸術性とマネジメントの定量的評価の試み
Project/Area Number |
26580032
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
澤村 明 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (40334643)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 敬文 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (50236600)
小林 真理 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (40257176)
中尾 知彦 慶應義塾大学, 文学部(三田), 准教授 (50434535)
大木 裕子 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (80350685)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | オーケストラ / マネジメント / ピアレビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
国内のプロフェッショナル・オーケストラへのインタビュー調査を計画していたが、大災害被災地へのチャリティ公演等の理由で断られるなど、予定通り進捗せず、1年の延長となった。 日本のプロフェッショナル・オーケストラについて、大きく三つに分類を行なった。特定支援オケ、自主オケ、地方オケであり、特定支援オケはほぼ1者の支援者がいるオーケストラ、自主オケは演奏家たちがボランタリーに設立運営しているオーケストラ、地方オケは地方自治体が設立したオーケストラである。 これまでインタビュー調査を行なったいくつかのプロフェッショナル・オーケストラから判明したことは以下である。当初の見込みと異なり、オーケストラのコンサート・マスターおよび事務局長は、国内の他のプロフェッショナル・オーケストラの演奏を聴くことはほとんどないと考えられる。理由は多忙、経済問題などもあるが、中には敢えて聴かないようにしているという意見もあるため、研究目的であった国内のプロフェッショナル・オーケストラ同士によるピア・レビューという評価は困難である。 一方、マネジメント面では、公表されている資料から楽団員の平均年間給与額を試算すると、プロフェッショナル・オーケストラからの給与だけで生活できるとは判断できない水準の組織がいくつか見られる。プロフェッショナル・オーケストラとして日本オーケストラ連盟の会員(正会員・準会員共)を対象としてきた。プロフェッショナルの定義にもよるが、これらについてプロフェッショナルと見なして良いのかという議論の余地があろう。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
国内のプロフェッショナル・オーケストラへのインタビュー調査を基本とするのだが、アポイントメントの取れない団体があるなど、進んでいない。また研究代表者が部局長となり調査研究に時間を割けなくなったことも遅れの大きな要因である。
|
Strategy for Future Research Activity |
まだ来訪していないオーケストラへの訪問調査を実施する予定であるが、当初の計画を変え、海外のオーケストラの状況について調べることも検討している。
|
Causes of Carryover |
研究が計画より遅れているため(研究代表者が部局長となったことが最大の要因)。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の計画になかった、海外調査も検討する。
|