2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26580033
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
原田 健一 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (70449255)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 小型映画 / 中間的コミュニケーション / コミュニティ・ドキュメント |
Outline of Annual Research Achievements |
小樽市総合博物館、宮本記念財団、東京国立近代美術館フィルムセンター、神奈川大学常民文化研究所、昭和館、神戸映画資料館、福岡市総合図書館の調査を行い、所蔵されている小型映画の閲覧を行った。全国各地の機関に小型映画が多く収蔵されていることは、戦前期における小型映画の広がり、ネットワークの広さを示すものともいえる。 また、その映像の内容を閲覧した結果、パーソナル(家族)でもマスでもない、中間的な領域(会社、学校、地域共同体など)の映像が大半であることが判明した。そこで、2016年3月27日(日)、神戸映画資料館で開催された「公開研究会 映像アーカイブと地域連携」(主催:神戸大学地域連携事業「映像を媒介とした大学とアーカイブの地域連携」、一般社団法人神戸映画保存ネットワーク、神戸ドキュメンタリー映画祭実行委員会)の「第三部 アマチュア映像研究の現在」において、「写真と映画によるコミュニティ・ドキュメントとは何か」として研究発表を行った。今までの研究にはなかった、新しい研究の枠組みを提示し、さらに概念化できるよう、今後、準備したいと考えている。 なお、研究成果の一部について、小型映画を民俗学的に用いた宮本馨太郎の映像について、渋沢敬三との関係に触れる形で「渋沢敬三の二つの転回点―渋沢栄一、宮本勢助・馨太郎からみた映像と民具―」(『甦る民俗映像-渋沢敬三と宮本馨太郎が撮った一九三○年代の日本・アジア』宮本瑞夫・佐野賢治・北村皆雄・原田健一・岡田一男・内田順子・高城玲編 岩波書店 2016年3月)を執筆した。また、「海女」を写した小型映画について、「「海女」映像の予備調査―志摩・御宿・舳倉島を中心に―」(『海女文化詳細調査報告書』 2016年4月刊行予定 石川県)も執筆した。
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