2014 Fiscal Year Research-status Report
1940-50年代の日本における民衆芸術運動に関する比較文化史的研究
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26580034
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
坪井 秀人 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (90197757)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | サークル運動 / 近代詩 / 戦後詩 / 日系移民文学 / 強制収容所 / 戦争責任 / 国文学研究史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の課題に係わるものとしては「文化と記憶のポリティクス」と題されて東京外国語大学で行われたワークショップで報告を行うとともに、戦後民衆運動運動という共通の研究対象を持つ研究者たちと今後の共同研究についての打ち合わせを行った。 また2015年1月初旬から3月初旬まで客員教授として滞在した米国シアトルのワシントン大学においては、戦前戦時期における米国日系移民のサークル雑誌、および戦時期の米国における強制収容所内において刊行されていたサークル雑誌について調査を行うとともに、日本の戦後サークル運動を研究している研究者の報告を聞いて、意見交換を行うことも出来た。 このほか関連する分野で、近代詩人の戦争責任に係わる論考、戦時期と戦後における国文学研究と文学研究の倫理的問題に関して考察した論考を刊行した。また現代詩の創作者と研究者を招聘して近現代詩の翻訳に関するワークショップを開催し、戦後民衆文化運動と戦後詩の関係についても議論を行うことが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
職場を異動したために新しい環境に適応するのに時間がかかり、研究環境が大幅に変化したために調査研究の方法も従来通りで行えていないことが挙げられる。また2ヶ月ほど海外に長期で滞在して現地での教育にも関わったため、日本国内では十分な調査の時間が得られなかったことも理由の一つである。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度中に当該課題に関わる調査を進め、現在までに収集保管している資料の整理も合わせて行い、論文を執筆し、また他の研究者とともに共同で開催される当該課題に関するシンポジウムに出席して報告も行うことも予定されている。
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Causes of Carryover |
初年度については勤務先の異動があったため、新しい研究環境で科研費を使用してのプロジェクトの遂行にやや遅滞が生じて、当初の予定通りの支出額には至らなかった。また、米国における調査が予定されていた旅費を支出せずに済んだことも理由に挙げられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外での調査旅費にあてる。米国で調査を行うとともに成果報告を行うほか、韓国およびドイツでも可能ならば調査を行う。
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