2014 Fiscal Year Research-status Report
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26580041
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
佐藤 歩 立教大学, 心理芸術人文学研究所, 教育研究コーディネーター (10648918)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | イタリア映画 / イタリア式コメディ / ディノ・リージ / 笑い |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画は三段階の研究手順を踏むが,平成26年度は、主に第一段階「イタリア式コメディ」の映像資料と文献資料収集に着手した。第一に日本東京国立近代美術館東京フィルムセンター研究員岡田秀則氏の助言を得てイタリアとフランスの映画研究者と国立映画資料アーカイヴの調査機関から調査協力の了解を得た。毎月、日本国内でイタリア式コメディの文献・映像資料調査を行い、作品の公開年月日等史実や資料集積を行った。同時に研究の第二段階であるデータ ベース作成への環境整備を行った。7月渡仏、フランス・シネマテークフランセーズ併設映画図書館BIFIでの文献調査、特にディノ・リージ監督資料や、ヴィットーリオ・デ・シーカ監督のシナリオ作家チェザーレ・ザパッティーニの資料を集積できた。映画批評家ジャン・ナルボ二氏、ジャン・ジッリ氏、シネマテークフランセーズプログラムディレクタージャン=フランソワ・ロジェ氏へのインタビューを行い動画映像資料としてデータベースへ共に保管を行った。最終年度に開催予定である日本イタリアフランスの国際シンポジウムとイタリア式コメディ作品上映会だが、これに伴うフィルム賃借料、上演権料、運搬料、保険料、字幕製作費等に予定以上の予算が必要であることが各映画関係者からの助言により判明、対策として国内の大規模なコメディ映画祭の開催者との連携と交渉を行った。5月東京で朝日新聞社イタリア文化会館主催で行う「イタリア映画祭2014」に参加、上映会共催の検討、来年度以降イタリア映画監督俳優へ本研究「イタリア式コメディ」についてインタヴュー協力を得られた。10月第一回京都国際映画祭に参加、日本アメリカのコメディ映画研究者太田米男大阪芸術大学教授へ本研究と上映会助言を求め、第二回映画祭にイタリアコメディ映画上映を検討中である。本年度の調査結果は次年度神戸映画資料館で講演を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究第一段階の映像資料研究においては日本・フランス2国間の映像資料文献調査は順調に進んでいる。データベース作成上必要となる映像資料の集積は、研究代表者が撮影・録音するインタヴュー資料についても開始している。本年度得られたインタビュー映像は少ないが、来年度以降海外調査のみならず国内における映画祭の協力協賛を得て大幅に進捗する予定である。研究の集大成となる国際シンポジウムと上映会の準備も同時進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
文献映像資料調査には、イタリア各地に点在するアーカイブ(ローマ、トリノ、ナポリ、パレルモ)や現地調査でその本性、史実等の具体的内容を精査、確認を行い、次の調査段階やデータベースに反映、発展させる必要がある。また、海外における研究協力者セルジオ・トフェッティ氏との連携の確認、助言を得て、データベースの確立を目指す。同時に国内における研究成果発表、講演や論文公表へも着手する。また国内における協力協賛の映画祭や機関も引き続き模索し、最終年度のシンポジウムと上映会に向けた共催への連携も達成したい。
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Causes of Carryover |
物品費が計画より1.5倍となったのは、データベース作成の為コンピュータ、HDD、カメラ等の機材を、海外における調査や研究活動等、また国内の出張時にも携帯可能なものを選定した結果、経費を上回る結果となった。旅費が半分のみの執行に止まっているのは、初年度2回予定していた海外文献映像調査が教育研究コーディネータ職遂行上1回となったためで、これに伴い研究活動に協力頂く謝金も支出が少なくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外文献映像調査を行うイタリア出張を予定しており、その為インタヴュー謝金と通訳謝金の予定がある。重ねて、国内のイタリア映画祭において招聘ゲストである映画監督俳優へのインタヴュー調査と謝金、日伊通訳謝金も予定している。
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