2017 Fiscal Year Annual Research Report
History of the cinema "Commedia all'italiana", Italian Comedy Style
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26580041
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
佐藤 歩 立教大学, 心理芸術人文学研究所, 特定課題研究員 (10648918)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | イタリア式コメディ / 笑い / 映画史 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度も引き続き、年間を通してフランス・イタリア・日本における研究協力者と共に研究活動を行なった。主に重点を置いたのは、フランスにおける文献映像調査である。「イタリア式コメディ」映画ジャンルの日本における普及は乏しく、隣国フランスにおけるイタリア式コメディ映画の再発見が21世紀絶え間なく続いており、その動向や日本と大きく異なる映画史の在り方を明確にするためである。「イタリア式コメディ」の映画は第二次大戦後からアメリカや欧州各国へ積極的に配給を行っていたが、1970年代ジャンルの栄華に陰りが見え始めると活動は一気に消極的になり、1980年代から2000年までの間日本において同様、世界でもイタリア映画の大幅な停滞期に入る。こうした世界の映画史に差異が生じ始めた時期や事由を探る試みを続け、歴史的経緯を明確にする目的を調査活動に据えた。主な調査先は、東京近代美術館フィルムセンター図書室、立教大学図書館、在日イタリア文化会館図書室や、日本国内での調査が主流で、フランス・BIFIでの文献映像資料調査を行った。さらなる文献調査として、2018年3月フランス・シネマテークにおいて映画修復活動の一環として開催された映画祭「全ての映画の記憶」特集に招聘された。イタリア女優ステファニア・サンドレッリ特集上映会とシンポジウムに参加し、本人からも貴重な証言を得ることが出来た。日本に存在しなかった貴重な映画ジャンル「イタリア式コメディ」についての文献調査の収集と日本語翻訳にも着手出来、イタリアの映画批評家セルジオ・トフェッティ氏、フランスのジャン・ナルボニからの貴重な証言や現代活躍中のイタリアコメディ女優のインタビューで得られた証言は重要で、研究期間終了後データベースと共にインターネット上での公開を予定している。と同時に、予算や規模の縮小をした上映会を開催すべく様々な映画祭・機関と交渉中である。
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