2016 Fiscal Year Annual Research Report
A study of the symbolic representation of the battlefront and Japan's colonies in wartime Manga
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26580043
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Research Institution | Kyoto University of Art and Design |
Principal Investigator |
牛田 あや美 京都造形芸術大学, 芸術学部, 准教授 (00468729)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 芸術表現 / 大衆芸術 / 漫画史 / メディア |
Outline of Annual Research Achievements |
一昨年、昨年と同様に国会図書館、国際こども図書館、昭和館、演劇博物館などで収集した資料をもとに研究発表、論文作成をしていった。雑誌に発表されたマンガや挿絵に描かれる「外地」の表象は、戦中、戦前とではとらえ方が少し違っていた。それは他分野で並行している、戦前の外地への旅の研究がすすんでいることもあり、かなりそことリンクしていることがわかってきた。 最終年度にあたる本年は、韓国のスンシル大学で発表を行うことができたため、戦前の「朝鮮」にスポットをあて、研究と発表をしてきた。今回、この研究をするにあたり、仮定として日本で活躍した外地出身のマンガ家を探せるのではないかと考えていた。当時はみな日本名を使用していることが多かったことから、なかなか探せなかったのだが、探し出すことができた。 戦前の「朝鮮」を描いたマンガ、挿絵の表象と、日本で活躍していた外地のマンガ家の発表を行ったことで、新しい研究テーマがでてきたことは、大きな功績となった。同一人物であるにもかかわらず、日本名、韓国名と二つあることから、別々の人物として、日本、韓国で語られている人物であることがわかった。 さらに時代をさかのぼり、日韓併合前の「朝鮮」の表象がどうであったのか、論文を作成した。その結果、併合前の「朝鮮」の表象が、その後、戦前、戦中の日本の雑誌での扱かわれかたに大きく影響していることがわかった。 本研究「戦時下の漫画に描かれた戦地及び植民地の表象研究」により、より多くの研究課題がでてきたことは、未来へとつながる研究の布石となった。
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Research Products
(3 results)